第17話 新たな出会い

 どれくらい歩いただろうか?小屋を出て約半日以上がたった。途中で様々な獣がいたが、師匠との鍛錬のお陰で、なんなく無事通れている。何よりこの刀の切れ味が凄い、、野菜を切るようにスパスパ切れる、、さすが「物干し竿」だ!


 これから、、島右近を改め、、島右次郎と名乗ろうかな、、でも、、「ウジロウ」って何だがださいな、しかも弱そうである…


 とはいえ、姫との道中は楽しい、おっさんと可憐な女子!今まで味わったことがない高揚感!!


「さっきから、何を見ている!」

「じろじろ気持ち悪い!」

「姫が、、美少女ガールなので曇りなき眼で堪能し

 ておりました。」

「また、わらわをからかう!」

 姫の頬が赤くほてっている、、急に早口になる姫が可愛くて、、いじるのは楽しい!

「しょうもないこと、言ってないで先を急ぐぞ」


 それから、しばらくして、、辺りはすっかり夕暮れ時、、少し離れたところで悲鳴が聞こえてきた。


「島、もしや、、鬼共か?」

「この気配は、恐らく鬼だと思います」

「姫は危険なので、そこにいてください」

「もう、これ以上、鬼に好き勝手はさせません」

「止めても行くのじゃろ?生きて帰ってこい!

 決して無理はするなよ」

「姫、、、行ってきます」


 500メートル位、走ったところに鬼と侍が戦っていた、、だが多勢に無勢で、このままでは、危ない。鬼に周りを囲まれて、身分の高そうな女性を侍が守っていた。


 さてさて、、正義の味方参上って洒落込もうか?頼むぜ師匠の忘れ形見「物干し竿」そして俺は長い刀身の刀を抜き、、勢い良く走り出し女性が鬼に噛まれる寸前に鬼を切り倒した。


 「島右近、助太刀いたします!」

 これっこれっ!島的に言ってみたかったセリフ「No5」ようやく言えたぜ、、少しテンションが上がっている島であった。


「どなたか存じませんが、ご助力感謝いたします」

「ここは、私におまかせあれ!」


 そう言って島は高貴な人??を守る為、鬼に向かいあった。


 ざっと敵は30人位、こちらのまだ戦える侍は5人位か、、どうする島??あれをやっかみるか、まだ完成していないが、この「物干し竿」があれば、なんとかなるか、、、


 刀を両手でにぎり横に構える、てぎるだけ握る力はそっとそえるように、、一気に相手のふところに距離をつめる。


「くらえ、旋風横一文字切り!」


 体の遠心力を使って横一直線に剣技を繰り出す、ハリケーンのように敵をなぎ倒し、、一気に敵を殲滅した。


 ただ、この技は大勢の敵に使うのは良いが、くるくると思いっきり回転するから、少し気持ち悪い。それが、未完成のゆえんであった。


「あーまじ気持ち悪い、これは改良が必要だな」

 ある意味、自分の技に酔っている時、高貴な方がこちらに向かって小走りで駆け寄ってきた。

「お侍様、この度は助けていただき、ありがとう

 ございます」

「いえいえ、あたり前のことをしただけです」

「せめて、何かお礼をさせて下さい!」


 少し、俺は考えて、あるお願いをした、、

「できたら、今晩の寝床と飯をご用意していただ

 けたら、ありがたいかな」

 高貴な方は、目を輝かせて、答える。

「では、私の城にご案内します!」

 うん??城??

「申し遅れました、私、名を茶々と申します」

「皆からは淀殿て呼ばれてはいますが、、、」

「えぇぇぇぇー」空いた口がふさがらない、、、


 まさか、助けた相手が豊臣秀吉の奥さんで有名な淀殿だったとは、、えらい時代に来てしまった!


 かくして、、時は1615年、、豊臣と徳川の最後の一戦である「夏の陣」まで、後一ヶ月後であった。この出会いが島を大きな荒波に巻き込んでしまう。果たして島は無事に現世に帰れるのか?次回より第二部後半スタート!


続く


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