第15話 受け継ぐ思い
鬼は師匠に向かって徐々に距離を詰め、二刀流の剣技で攻撃を繰り出していた。ギリギリのところで師匠はかわしていたが、、体中は血だらけで、もう体力の限界はとっくに過ぎている。
「師匠ぉぉぉぉ」
俺は思わず叫んでいた、、そして、、師匠と鬼の間に割って入るが、、鬼に一瞬で吹っ飛ばされ、あばら骨が2〜3本いかれたようだ、、、まったく役に立たない自分が嫌になる。
「島殿、、心配するな、、こんな鬼ごとき、せっしゃ
が負けるはずなんてない」
「我が弟子よ、、とくと見よ、、我の最強の剣技」
「何が最強の剣技だ!片腹痛いは!」
「これで最後だ!小次郎よ!死ね!」
鬼は余裕の笑みを浮かべ、、師匠に向かって刀を繰り出すが、師匠は紙一重で避け、空振りになった一瞬の隙を突いて渾身の一撃を繰り出した。
「奥義!!燕返し連撃」
師匠は刀を垂直に振り落とし、、そして、振り上げてから、、体を絶妙なタイミングで体を反転し相手の死角を突いて横一文字に鬼の胴体を切り裂いた。
「そんなばかなぁぁぁ」
鬼の断末魔があたりに、広がり、鬼との戦いは決着がついた。
「島殿、、だから大丈夫と言っただろ?」
「師匠それより大丈夫ですか?」
「ちと、、血を流しすきだ、、もう助からん」
「そんな弱気なことを言わないで下さい」
「最後に、、この刀を預ける、、」
「物干し竿、、別名『備前長船長光』じゃ」
それは、通常の刀より一回り長く、、刀身は90cmを超えていた。
「鬼に対抗できる、唯一の刀じゃ、、それを
そなたに託す、だからもらってくれぬか?」
だんだんと小さくなる声、もう助からないと直感的に悟った。だったら、せめて師匠を安心して逝かせてあげたいと思った。
「はい、、師匠の思い受け継ぎます」
「それでこそ、、島殿だ、、」
「生きろ、、島殿、、」
それが最後の言葉だった、、悲しさと自分の不甲斐なさに打ちひしぎられながら、師匠の亡骸は土に埋め、、姫が待つ森の奥に向かったのであった。
島が去った後、少しした後、1人の男がやってきた。
「八本刀の1人、宮本武蔵を倒すとは、、」
「今度は楽しめそうだな、、、」
「せいぜい、いまは束の間の平和を味わうが良い」
不適な笑みを浮かべ、、不気味な男は、その場を後にした。
続く
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