第13話 襲撃

 今日は一日雨が降っている。それでも俺は相変わらず、、この重てぇ剣を振り回している。ずっと剣を振ってるせいか、割と握力がついてきたかも??


 今なら握力でリンゴを潰せるかも!それは男としての浪漫であり、、強い男の仲間入り。また変な妄想している島であった。


 島が森の奥で、いつも通り鍛錬をしていたが、時を同じくして、、信木小次郎こと、、佐々木小次郎は窮地に立たされていた。


「逃げても無駄じゃ、、」

「小次郎、、ここまでだ!積年の恨みはらさせて

 貰おうかっ!」

「ちょいとまずいな、、」

「巌流島の戦い、、よくも汚い手で我を愚弄して

 くれたな、、お前らやってしまえ!」


 完全な逆恨みである、、皆もお気づきであると思うが、小次郎を襲っている男はかの有名な「宮本武蔵」である。史実では武蔵が勝ったとしているが、実際は佐々木小次郎の勝利であった。この話は追い追い語るとして、、、


 武蔵の様子がおかしい、、体中に邪念が満ちている。


 周りを見渡すと手練の剣士に囲まれていた。逃げ道はないか、、ついにあやつも悪鬼に落ちたか、

こうなったら舞姫だけでも逃がさぬば…


「舞姫、、今から西へ走れ!!」

「今から道を作る」

「もう、逃げるのは嫌じゃ、わらわも戦う!」

「せっしゃの戦いの邪魔だ!」小次郎は一喝する

「そなたが怪我したら悲しむやつがおるだろう?」

「…」

「うん」舞姫は泣きそうな声で返事をする

「いい子じゃ」


 我が愛刀、、物干し竿、、頼むぜ!小次郎は真正面に思いっ切り駆け出し、必殺の「秘剣燕返し」を繰り出した。一撃で前の敵を一掃する。


「今じゃー、、そのまま走れ!!」

「うぅ、、うぅ、、」

 舞姫は大粒の涙を浮かべ、一心不乱に走り出す。

「そう、それでいいんじゃ、、」


 残る敵は後20人ほど、、生きて帰れるかな?だがここで死ぬ訳にはいかん。せっしゃには鬼共を駆逐する使命がある。


「この妖刀、、物干し竿の剣技しかとみよ!」

「そのやせ我慢がいつまで続くか!見ものだ!」


 そして小次郎は20人の手練と武蔵に果敢に挑むのであった。


続く


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