第12話 剣技

 今日も俺は素振りをしている。とくに師匠から支持もなく雨の日も風の日も、、来る日も来る日も、、

そして、ここに来てから三月がたったある日、俺の剣は空を切り裂き、、心と体が1つになったような気がする。


「ようやく、、コツを覚えたようでござるか」

「師匠!なんとなく、、わかってきました」

「島殿、それが心技体を極めようとする

 片鱗でござる!」

「では、、そろそろ1つの技を教えてしんぜよう」

「よーく見ておれ!」


 師匠の剣技を見るのは、、初めてだ、、熊を倒した時も素手だったし、俺は内心ワクワク感でいっぱいだ。


 師匠は居合の構えをし、目に止まらぬ早さで剣を抜き、、下から剣を振り上げ、、そして一瞬で剣を振り落とす、、まさかっ、、この剣技は!


「島殿、、これが秘剣燕返しなり」

 師匠まじかっけぇー、この技はかの有名な「佐々木小次郎」の代名詞じゃないですか!!


「師匠、、この技は、、ある人の剣技ですよね?」

「気付いたか?信木小次郎は仮の名前、真の名は

 佐々木小次郎と申す」

 まさかの伝説級の剣士に胸が高鳴った、、俺はやべぇ人のもとで鍛錬してたんだな、、


「では、この燕返しの習得が最後の試練でござる」

「基本的には、、今までの鍛錬で必要最低限の

 心技体は備わったであろう」

「だが、この剣技はかなりの早さが必要でござる」

「そこでじゃ、、この刀を持て」


 そう言って、師匠は何の変哲もない刀を俺に渡した。なんだこれは、持ってるだけで、ギリギリだ、、めっちゃめっちゃ重い!!


「これはな、、妖刀、、正重丸」

「普通の刀と違って100倍くらい重い」

「これを使いこなせるようになったら自然と

 燕返しはできるようになるでござる」


 俺は苦笑いを浮かべていた、、ようやく素振りから解放されると思ったが、またもや素振りリターン、、しかも今までより、かなり強くなって戻ってきた。


 でも何かを掴みかけていた俺は、一心不乱で正重丸をぶん回す。もう弱い俺とはお別れだ、、大切な人を守れる力がほしい。待っててな「まゆ」必ず、この世界を生き抜いて、もとの世界に戻るからな!


続く


 


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