第10.5話 島の日常、、プレゼント

 「まゆ」と出会ってから3ヶ月、初めて出会った日から毎日LINEは続いている。女性と1ヶ月以上続いたのは初めてだ。


 毎日どんな話をしてるかだって?恋愛スキル0の俺にとって未知の領域だぜ!ただただ、、朝「おはよう」ってLINEして、夜には「おやすみ」ってLINEするのが日課である。


 今思えば、、、たいした話してなかった、、、誰か!俺に女子とトークするネタを教えてください。


 まぁ話は脱線したが、来週は大きなイベントがある!なんと、、「まゆ」の誕生日だ!!


 これは一気に関係を縮めるCHANCEである。だけど、皆もわかっていると思うが恋愛スキル0のただのおっさんが、、最近の女子の好き物なんてわからない、、、どうしよう、、、


 ここは、伝家の宝刀である「Yパイプ」の動画検索で情報を集めるしかない、、


 それから俺は日夜「Yパイプ」先生と戦った朝、会社に行く前も昼の休憩も、夜も寝る間を惜しんで動画とにらめっこ、、


 それで、、いくつかの候補に辿りついた!彼女はキャバクラで働いているので、化粧品が良いのではないかと結論づけた!!あまり高い物を贈ると引かれる危険性があるので、、安すぎず、、高すぎず、、

ある程度のブランド物にしようと思う。


 次の日、ちょうど仕事も休みだったので、思いたったら吉日!!即、百貨店に買いに行こう!!


 お目当てのブランドはイケてる女子に人気が高い、「リオール」だ!


 ただ、、ここに来て、一つ問題がある、、店の中にはキレイ系の女子でいっぱいだ!非モテおっさんが

この中にダイブするなんて、、まじカオス、、心臓がもたーん!


 でも、、勇気を出せ、、島、、自分に言い聞かせる。これも「まゆ」の喜ぶ姿が見たい為だ!


「逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ、

 逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ」

 ぶつぶつ店の前で独り言を言ってると、、急に冷ややかな視線を周りから感じた。


 やってしまった。自分を奮い立たせる為とは言え、周りの女子から不審者の目を向けられる。これ以上、、ここには居たたまれなくなり、俺は勇気ある撤退をすることにした。


「くそぉ、、化粧品を買うのに、こんなに

 ハードルが高いとは、、」


 その日は俺の心は折れ、、家に帰宅することにした。まずは自宅で1人反省会をし、明日に備えイメージトレーニングを入念に済ませた。


 翌日、、完璧にイメージトレーニングを完遂した俺は、、有給休暇を取り、、再びこの戦場に戻ってきた。


「我は帰ってきたぞ!」

「昨日は油断したが、、昨日の俺と違う!」

「全身を赤一色にし、、気合も十分!

 これで通常より3倍メンタルが強くなる!」

「昨日の島とは違うんだよ昨日とは!」


 そして、俺は電光石火の身のこなしで、店員に声をかける!今日は鋼の心だぜ!


「若者に人気のあるリップはどれですか?」


 ちょっと驚いた顔でこちらに視線を送られたが、もはや、今日の俺には関係ない、、ここで止まったら、もう動けない!頑張れ俺!


「これなんて、、どうでしょうか?」

「当店、売れ筋ナンバー1になります」

 おっ、、これはYパイプでも評価が高かったリップではないか、、俺の目に狂いはなかった!

「では、これにします!お会計お願いします!」


 それから、お目当ての商品を買えて、ようやく自宅に戻ってきたのも束の間、、今、、冷静になって俺のカッコウを鏡で見てみると、、まじださい、、言うなればアカレンジャー(戦隊モノ)に憧れたデブのおっさんのコスプレの図である、、、直後、恥ずかしさにもだえる島であった。


 後日談として、、「まゆ」にとってリオールは好きなブランドだったみたいで、とっても喜んでもらえました。


 終わり良ければ全てよし!やっぱり「まゆ」の笑顔は最高だ!!これからも「まゆ」を大切にしたいと思う島であった。


続く


 




 




 

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