第9話 まゆの秘密

 少し時は戻ります。島と別れ、、あれから1週間が過ぎた。今でも忘れない、私のかけがえない人。


 私は1人、、元の世界に戻っていた。毎日毎日同じ時間を繰り返す日々。何だが、心が空っぽになったようにも思える。


 返ってくることもないLINEを毎日送っている。そんなんやっても意味ないことだって、、わかってるのに、、気がついたら島にLINEを送っている。もしかしたら、、戻ってきたかもって、、スマホを何度も確認するが、、返信はいまだにない。


 悲しみに明け暮れて、その日も泣きながら寝落ちした。その夜、私は不思議な夢を見た。


「まゆ泣いておるのかえ?」

「えっ、、誰?」

「舞姫じゃ、、わらわは今、過去にいる」

「島は無事なの?」とっさに反応した。

「今、島は村人に監禁されておる」

「大丈夫なの?」心配で胸が張り裂けそう。

「なんとか無事だが、ひどい拷問を受けており

 かろうじて生きておる」


 ショックだった。私の大好きな人が酷い仕打ちを受けており、何より何もできない私がくやしい。


「泣くな、まゆ」

「島に逢いたいんかえ?」

「一つ方法があるにはあるんだが、、」

「私はどうなってもいい、教えて!」

「今、、わらわとまゆの魂は細い糸で繋がって

 おる」

「細い糸だから千切れやすい、一度だけなら、わら

 わの器とまゆの実体を交換することができる」

「もう、、元には戻れぬが良いか?」


 私の答えは決まっている。もう一度、島に会えるなら、、なんだってする。もう何も恐くない!


「大丈夫、島に会えるなら、、、」

「わかった」

「それでは、わらわに意識を集中して」

「はい!」


 それから、気がついたら森の中にいた。ただ嬉しい誤算は舞姫は霊体だと思っていたけど、私の実体と舞姫と繋がったことで、舞姫の器にも実体が再構築されたみたい。

 

 これで、島にも会えるし、なんだってしてあげれる、、、でもね私はこれから「舞姫」として生きる。私が「まゆ」だってバレたら、また私のこと、元の世界に戻そうとする。


 だから、、これは、、私だけの秘密。でもね島、これからは舞姫として島を愛します。待っててね、、島これから助けに行くよ!!


続く


 

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