第8話 強くなりたい

 狂気の集落から逃げ出して1週間。ズタボロだった体もようやく回復して、、なんとか動けるようになった。その間、小次郎さんの小屋で世話になり、毎日、姫が献身的に看病をしてくれた。


「島殿、、ようやく動けるようになったか?」

「小次郎さん、、ありがとうございます

 ようやく動けるようになりました」

「それは良かった、、ところで島殿はこれから

 どうするんだ?これも何かの縁、せっしゃに

 できることがあったら何でもいってくれ!」


 なんて、、、優しいだ、、、小次郎さんは、俺が女だったら惚れてまうだろ!しいて言うなら小次郎さんに頼みたいことがある。


「小次郎さん!実はお願いしたいことがあります」

「なんだい、、気兼ねなく言ってくれ!」

「俺を鍛えてくれませんか?」

「大切な人を守れる力がほしいです!」

「もう誰も傷つかないように…」


 俺は本気だ、陰陽師の力はあるが、身体的にはただの40のおっさん。これじゃ誰も守れない。


「さようか、、島殿の熱意、、わかり申した」

「小次郎殿、ありがとうございます」

「では、せっしゃが編み出した『巌流』を

 伝授しよう」

 なんだその、、めっちゃかっこいい響きは!!

 巌流と書いて「がんりゅう」と呼ぶ。


 「では、、手始めにこの山の頂上にりんごの木が

 ある、それを一つ取ってきてくれ」

 「え、、、」まじっすか??島が思い描いた修行と

 違って、、りんご?取ってくる??

 そんなの余裕だろと考えた島がバカであった。


 「夕暮れ時までに取ってきてくれ」

 小次郎師匠それは無茶振りだってばよー、、、今、昼過ぎだから、後4〜5時間しかない。しかも山まで20キロほどあり、しかも頂上まで果てしなく遠い!


「もし、、夕暮れ時までに戻ってこなかったら

 飯抜きだからな、、まぁ頑張れ!」


 笑顔できついこと言うなぁー。もうどうにでもなれ、これも試練だ!そして、島は急いで山へと向かったのであった。最後に師匠が何か言おうとしていたが、、ダッシュで走って行ってしまった、、、


「島殿、、山は熊が良くでるから、熊対策の

 匂い袋を渡そうとしたが、、行ってしもうた」


 島のせっかちが裏目に出て、危険なフラグがたってしまった。次回熊vsデブ、、、乞うご期待、、、


続く



 

 

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