第6話 せっしゃは信木小次郎なり
心も体も疲れ、体がなまりのように重たい。これからどうするかなんて、、今の俺には動く気力さえなくしていた。
暗闇の中で、声が聞こえる。何を言ってるかわからないが、、俺を呼んでいる気がする。そしてだんだんと近づいてきて、思いっきり扉が開く音がした。
「そなたが島か、、助けにきたぞ!」
その男は、ごりごりの体で切れ長の目をしている。身長は当時の人より背が高く、197cm位ある。例えるなら、あるバスケットマンガに出てくるゴリラキャラ的な典型的な出で立ちだ。脳裏にあるフレーズがループする「いいからテーピングだ!」冗談はさておき、、、
「あなたは、どなたですか?」
「ほんとに助けてくれるんですか?」
「せっしゃは、、妖刀使いの信木小次郎なり」
戦隊モノの無駄にダサいポーズをしてくる。
「安心せい、訳あって、お主を助けにきた」
それからは、、あっというまだった。小次郎の怪力で「おり」を破壊し、、片腕で俺を抱え、村の人達が来る前に集落から早速と抜け出した。
「どうして、俺を助けてくれるんですか?」
「着いてから話そうと思ったが、実はな」
「ある、、おなごに執拗にせがまれてな」
「…」
「着いたからのお楽しみじゃ」
やけに自信満々な笑みが、謎が謎を呼ぶ
おなご??この時代に知り合いなんていない、今の俺には考える力さえない、、消えゆく意識の狭間でなんとか耐えていると、ようやく目的地についたみたいだ。
小さな小屋がある、そこに俺たちは入り、一息がついた。
「ほらぁ、約束どおり連れてきたぞ」
「恥ずかしがらず、てでこぬか!」
男がそう言うと、、ある小さな女の子がゆっくりと姿を表した。
続く
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