第5話 拷問
あれから、、どれ位が、たったんだろうか、口は血の味しかしねぇ。手は縄でしばられ、体は椅子にしばりつけられて、3日目の朝がきた。
毎日、ムチで叩かれ、体中がミミズ腫れだ。ところどころ血がにじんで、今にも意識が飛びそう。「まゆ」を逃がしたことで、村の人達に俺を完全に「あやかし」だと勘違いされている。
もう生きる、力も余力も残っていない、ただ最後に「まゆ」に逢いたい、、そしてギュッと抱きしめてほしい、、、
この時やっと、、自分の本心に気付いた。俺は「まゆ」を愛していたんだな、、
かなわね思いを心にいだき、今日も村人による拷問が始まる、、扉の開ける音がした。
「生きてるかー、バケモノ!」
憎しみをいだいた、男がいきなり、蹴りを入れてくる。どうやら、この男は娘を「あやかし」にさらわれたそうだ、、
「こらー吐けよ、、娘はどこだ!」
男の右手にはムチが握られ、執拗に俺を叩く、、
「俺は、、ただの人だ、、娘なんて知らない」
力ない声で何度同じことを言ったか、、
「しらばくれんじゃ、、ねぇー」
「うっ、、、」ただ耐えるのみ
「おまえが!おまえが!俺の娘を!」
男の顔は狂気に歪んでいた、、、
それから、100回ほどムチ打ちを受けたところで、やっと男の気がすんだらしく、、男はその場を後にした。
もう俺の心は限界だ。最低限の水と粗末な食事、そして…ムチ打ちを受ける毎日。気力も体力も、、
もう何も残っちゃいねぇ。
そして、わずかな体力がつきかけた時、遠くから声が聞こえた、、だんだんと近づいてくるのが、気配でわかる、、「誰?俺を呼ぶのは?」
続く
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