命我慢の時

 千二百年が経ったが、兄上が転生したと連絡が来ない、今や稲荷大神は日本全土を把握できるぐらいに広がった、そんな状況でまだ転生を把握してないと言うことは日本以外で転生したのかもしれない、ヤキモキする!どうなっているのか先輩方に聞いてみる


「まだ転生先が決まって無いらしいのよあれほどの魂の持ち主なら釣り合うところが難しいのよ、そうピリピリしなくても神々が良いところを選んでくださっていると考えればね?お兄さんの幸せを考えましょうよ、転生先が分かれば教えてあげるから落ち着いて」


「ふうぅぅ、早く兄上に会いたいです」


「あれ?転生先に行くの?お兄さんとあの場所で待つ約束したのに?」


「はっ!!そっ、そうでした!うーーー兄上ぇ」


「まあまあ、お兄さんの事は逐一教えてあげるから我慢しなさい」


「はっ、はい…、でも兄上がこちらに来てくれないと会えないじゃないですか!!」


「それは大丈夫私達が誘導してあげるからその時には魂の欠片をしっかり溶け込ませるのよ」


「はい、心得ております」


 先輩方は兄上を眷属に引き込みたいらしい、だからとても協力的、私としても常に兄上といれるので兄上の眷属化は望むところ兄上が転生先で正しく幸せになれるよう私も頑張る


「命様お帰りなさいませ、ご主人様の情報は?」


「まだ、だったよ」


 猫又の白虎は私と親和性の高い四足獣だから私の尻尾が増えると同時に白虎の尻尾も増えていった


「えー、もう千年は過ぎてるのにー」


 朱雀は千二百年経っても心は子供のままで愚痴っている


「朱雀、千二百年は必要と聞いたでしょ」


 青龍は千二百年で大蛇になった、大きさは変えられるけど


「転生したとしてもすぐにご主人様はこちらにこれませんよ朱雀」


 玄武は亀の姿では甲羅についている藻が伸びてそれと同時に人に化けた時の髭と眉毛が伸びた


「分かってるけどさ初めはー千年ぐらいと聞いたのに千二百年に伸びて更にまだ待たされて早く会いたいよー」


「朱雀に同意です、転生先が分かればすぐにでも会いにいきましょう」


「それは駄目だよ白虎、兄上との約束があるでしょ?」


「はっ!確かにしかしそれではご主人様に会えないじゃないですか!」


「大丈夫、先輩方がこっちにくるように誘導してくれるって、あと百年は掛からないだろうって」


「今まで待った年数に比べればすぐですね」


「ほんとう!?ようし、あと百年か!」


「待つのが暇ならやって欲しい案件があるって」


「何かをしてれば気も逸れるので良いですね」

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