第56話
「ズタボロじゃん」
力を巡らせながら独りごちる。
ずっとやってきた作業ではあるものの、最初の満遍なく且つお互いを阻害しない様に力の道筋を巡らす作業が結構繊細で難しく時間が掛かるのだ。
通した後もコントロールは必要なのだがまあ、そこは慣れだな。
・・・それにしても自分の担当丸っと放棄してまで何がしたかったんだか、と首を傾げる。
父さんが後は対処してくれるって言うからすっかり任せて来たけど、父さんに目を付けられたらもう終わりだよな。
流石にあの女も年貢の納め時って奴だと思う。うん。
———ポインッ!
「ん?」
「あ!」
「・・・兄さんもこっち来たんだ」
久々に見た兄さんは何故か未だちっこいバージョンで、会った瞬間号泣されてる気まずさよ。
「いや、元は俺が色々やっちゃったのが原因だから」
「ぐすっ・・・アガラ優しい・・・でもあれ、人任せにするべきじゃ無かったよな。私が自分で最後まで責任を取るべきだったのに・・・取っていたらこんな事態にもなって無かっただろうに・・・くっ、私の見る目が無さ過ぎて!」
・・・兄さんの昔への後悔が凄い件。
懺悔が怒涛で止まらない感じだな。
こうしとけば〜、とかの話はぶっちゃけもう無意味だし、別に兄さん恨んでたりとかしないけど泣かれるよりマシだから適当に聞き流すぞ。
大反省会に相槌を打ちながらの作業になっちゃったからもうちょっとかかりそうなのはちょっと勘弁して欲しいんだけど・・・はぁ・・・。
大人バージョンアガラで
「陰険クソババア!」
「お前なんか大っ嫌いなんだぞ〜〜」
水の神を罵ったり
「可愛い嫁GETしたのじゃ!」
「ラブラブ幸せ生活満喫中ぅ〜〜なうっ!」
現状の幸せ生活アピールで水の神に大ダメージなのじゃ!!
『ぐ・・・ぐぅっ・・・』
『う・・・嘘じゃ、嘘じゃ!!』
『太陽神は我のものであるぞ!勝手は許さんっ!!』
めっちゃ荒ぶっておるの〜〜けけけけけ!
・・・上界では三番目が凄い冷めた目で
「くだらん」
とか言っておるけど!
これがこの女には一番効くので仕方無いのじゃぞい。
あんなに酷い目に遭わせておいて、未だ自分のもの宣言は意味わからんけどのう。
小さいアガラも可愛いのに。
成長すればこうなるのわかってて小さいアガラを極限まで甚振る心理がさっぱりじゃよ・・・次いでユエンにもそんな感じじゃったし・・・。
やはり中級は脳が足りんのかの?
『五月蝿い、五月蝿い、五月蝿ぁ〜〜いっっ!!!』
あ、プッツンしたのじゃ。
『お前は未来永劫我の物!誰にもやらない!!』
おおぅ・・・ゾッとする位濁った目を向けてくるの教育に悪いのでやめて欲しいのじゃが。
こやつこう見えて一連の行動全部、純真な恋心での行動なのマジ謎なのじゃが。
そうなると、悪神には堕ちん所が曲者なんじゃよなぁ・・・。
———純真な恋心とは?と問いたくなる位醜悪じゃったけど。
正直トラウマものじゃぞい。
堕ちないと処分難しいし、2人の成長の妨げにしかならんこいつにはどうしても退場して欲しかったのじゃ。
だからこそワシ、ここまで出張って来たのじゃもん。
まあ、個人的にムカついてたって言う理由も含むがの。ほっほっほ。
『我が・・・この力さえあればっ!!』
ばばっと両腕を天に掲げて
『今こそ!我は上級に・・・いや、それ以上の者にでも進化出来ようぞっ!!!』
と叫ぶ様は・・・厨二病かの?
しかも我に喧嘩売ってるのかの。
上級の上は唯一神の我のみぞ。・・・簒奪?
そうまでして手に入れたいと願うアガラへの執着が嫌過ぎるのじゃが。
歪み切っているしの。
これこそ病んでるって奴じゃわい。
勿論
「やーだよーーうっ」
申請却下一択。
高揚中の女には聞こえなかったみたいだが・・・このまま行くと、器が力に耐えきれず破裂するしか無いのじゃが。
ミチミチいっとる、ミチミチいっとるぞい・・・。
——————バアンッッ!!!!!!
案の定、器が弾けてその中身を素早くGETじゃ!
これは三番目へのお土産なのじゃ。
自爆エンドとは締まらんけれども、爆発の衝撃はちゃんと抑えてやったのでワシはお役御免じゃの。
後は2人の腕任せじゃ。
ワシ、帰るでの。(飽きたとも言う・・・)
「ピチピチなお土産なのじゃ」
「こんなになっても記憶保ってるのは凄い執念だな」
「というか、弾けた事に気づいて無いのじゃ」
「それは・・・」
「やはり馬鹿なのじゃ」
「色々やり甲斐があるな」
「・・・好きにするが良いのじゃ。我は満足した故に」
——————さて。
2人はどう成長してくれるかのう・・・爆発の衝撃は抑えたといっても、ここからの調整は骨が折れる作業じゃぞ。
ほっほっほ、無事(仮)が外れて上級神になれるのか、はたまた破綻して帰ってくるのか・・・見ものじゃの。
頑張るのじゃぞ、若人よ。
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