第55話
「おーー、突然街が砂漠化した?」
「砂漠って言うか砂になったな・・・てか、粉」
「そこ、現実逃避は良いからさぁ!・・・ユエンは、大丈夫そう?」
唯一事情わかってそうな怒鳴り声を上げたユエンに一応聞いてみるけど
「・・・かろうじて。アガラが手伝ってくれる様でギリいけるかもって所です」
うん、色々端折り過ぎだよね。
全然わかんないよ!?としか。
・・・そして言い逃げ気絶って言うね!
でも何か全力で良く無い展開起こってそうって事はわかってる。
この現状的に。
「もーー、訳わかんないけど!取り敢えずここは足場悪すぎだから移動するわよっ!!」
「おーー」
「ユエンはこっちで担いでくわ」
見渡す限り砂、砂、砂。
砂埃も凄すぎてフードを深く被って移動。
なるべくお城があった方とは逆に進む。
まずは気絶したユエンを安全地帯に運ばなきゃだよ。
街は砂化しただけだから、人死にとかはなかったっぽいけど、異常事態過ぎて人が逃げ惑って大騒ぎ!
未だミリアの領域展開してなくて良かったかも!
してたら、使徒として信者もがっつり保護対象だったからね。
そうしたらこんなに自分たち優先の動きできてなかっただろうから。
・・・でも領域化してたらそもそもこんな砂現象、起こってなかったかもしれないけどさ・・・どっちだろ?
「逸れないでよ!」
「わかってる」
「急ぐぞ」
他の有象無象には構ってらんないから許して欲しい・・・まずは仲間の安全確保が優先です。
『あははははははっ!!!』
力が戻ってくる感覚に、“後もう少しで”と身体が高揚してくる。
・・・あの忌々しい月のは、私が世界から引っこ抜いた力の分の穴埋めに奔走している様だし・・・ふふふ、あいつが出てこないとなると、私の邪魔をする者など皆無に等しい。
使徒は所詮神には敵わないし、あいつらの事は放置で良いだろう。
どうせこちらからは急速に離れて行ってくれている様だし。
「ルターニア様っ!お鎮まり下さいっ!!」
役立たずな人間が何か言ってくるのは煩わしいけれど、無視してさらに力を集める。
『ハハハハハ!もうここで進化も果たしてしまおうぞ!』
もう少し、後少しだけ上級に至るには何かが足りないと感じる。
・・・他の役立たずな神共も食えば頂きに辿り着けるであろうか?
「ふぉっ、ほっ、ほっ、ほっ、ほっ!ワシ、降臨〜〜」
“もっと力を!”と思っていた所に一際どでかい力が突如目の前に出現して、水の女神はこの幸運に思わず舌なめずりをして出迎えた。
後もうちょっとなのにっ・・・そのちょっとがいつまでも埋まらない。
・・・でも、あんなにでかい力の塊を取り込められれば・・・。
そこでふと気づく。
『・・・誰かと思ったら』
「んぬぅ?」
『お前、皆と仲良くなりたいんじゃなかったのかい?折角躾けてやってたのに途中で放棄して・・・後もう少しで許してやるつもりだったのに』
いつの間にこんなに力を蓄えてたんだか。
こいつ、約束をちらつかせれば何でも言うことを聞く本当にチョロい奴なんだよ。
・・・ほら、さっさとまた私に力を供給しなさいよ。
その力、私がちゃんと有効活用してやるからさぁっ!!
「お主たかが中級神の癖に何を思い上がっておるのじゃ?立場を弁えよ」
『はぁ!?』
はあ〜〜、やれやれ。
と首を横に振って何やらごちゃごちゃと宣う太陽神に
『お前如きが調子に乗ってんなよ!私はもう直ぐあんたと同じ・・・いや、あんたをも超える力を手に入れるんだからね!!』
ごちゃごちゃ言わず、お前はさっさと私の供給源に戻れば良いんだよ!と怒鳴る。
「現世に顕現も出来ない立場で何を偉そうに語っとるんじゃかのう・・・このチビな姿がいかんのかの?」
『何をさっきからぶつぶつと・・・』
———ポインッ!
『は?』
「大人バージョンアガラ降臨!って言っても中身はワシなんじゃがの」
『な・・・なっ!?』
「ほっほっほ、さっきまでの威勢はどうしたのじゃ?・・・ほんにお主、見た目だけに翻弄されるミーハーって奴なんじゃのう」
随分と思った以上にこの姿に動揺する水の神に、やはり所詮は中級神じゃなと呆れる。
これ、外見変えただけだからの。
まあ、最初から重圧全開で話しかけておるのに見た目だけで侮ろうとしたコヤツの偏見には本気で脱帽ものではあったがの。
———さてさて、愛しの大人バージョンアガラの姿を用意してやったのじゃ。
ここからが我のターン!
じっくりゆっくり可愛がってやるので覚悟するが良いのじゃ!!
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