第47話
〜水の神サイド〜
月の神にあんたの弟どうにかしてよ、な第二弾な話を下級神づてに持って行ったのに!
「弟は悪くないだろ。元凶は私とお前だ」
ですって!?
はあっ!?何を勝手に責任転換してくれちゃってんのかしら!
1回目も険しい顔しつつも事実確認するって言ってただけだったし・・・何、やっぱり身内は可愛いって奴なの?
上級神ともあろうものが、身内贔屓とか・・・。
これはもっと上に陳情するべき事案なんじゃないかしら?
“ほっほっほ、それなら直接手出し出来る様になるのう”
ゾワリッ。
何か突然悪寒が背中を這った気がして思わず身体を摩った。
———いやいや、それは流石に安直な考えだったかも!
そうよね、まだもうちょっと自分達で頑張れるわよね。
と普段は即実行な私が思い直してしまう位には悪い予感だった。
・・・女の勘ってやつかしら。
“ちっ”
どこかで誰かが舌打ちを打った気がしたがそれ以降悪寒はしなくなったのでふぅっと力を抜いた。
———何だったのかしら・・・いや、これ以上は考えちゃいけないわね。
頭を振って一旦リセット。
さて、でもどうするべきかしら。
この頃陳情に来る神が減ったのは———もしかして皆消えたからとか?
私は嫌よ!
折角ここまで成長出来たのに。
後もうちょっとで上級神にも手が届く位まで来てるのよ。
ここまで育てるのに、かなりの年月を注ぎ込んで来たし現世にもアピールして信者も星一番の自覚あるわ!
ちゃんと日々努力してるの。
私のミスじゃない所で足を引っ張られるなんて・・・やっぱりそれには同じ上級神をぶつけるしか無いのに。
水鏡を出す。
あらあらあら?
月のったら現世に顕現しているじゃ無い。
ふーん?
どうやってかギリギリ安定させて行ってるのね・・・そういえば、ここって新興の神がどうとかって訴えに来てた神が居た場所じゃなかったかしら。
・・・ああもしかして、場所分捕られちゃったって事?
それなら何であの子消えなかったのかしら。
———それにしてもその新興の神の子って生意気ね。
私に挨拶にも来てないわよ。
・・・その子の力、何とか取り込めないかしら。
そうすれば万事解決じゃ無い。
月のと居るのが人間にその神の使徒ねぇ・・・自分で周る程の力がまだ無いんなら今がチャンスって事よね。
でも居場所は・・・わからない。
うーん、まあこの使徒から辿れば良いわよね。
幸い月のは完全弱っているし、後は使徒化しているって言っても所詮人間でしょ?
私の敵では無いわよ。
ふふふ、そうと決まれば早速おもてなしの準備をしなくっちゃねぇ。
使えないのに今も祈りだけはし続けてる役立たず達にも早速動いて貰わなくっちゃ。
さあ、私の為に働きなさいな敬虔な下僕達よ!
———ああ、この命には従ってくれるのね。
素直な子らには私の力を少し与えても宜しくてよ。
ふふふ・・・新しく神が興るより以前から居た熟した神の力になれる方が良いに決まっているわよ。
さあ、早くいらっしゃいよ。
美味しく全部頂いてあげるから。
「くしょんっ!・・・風邪かな?」
神って風邪引くのか?と冷静に呟く優里亜の横で大慌てのアガラが大騒ぎしたのはまあ既定の路線ではあった。
致し方無し。
“・・・気づかれちゃったわい”
“下手くそ”
“酷いっ!!”
と言うやり取りが上界で行われていたとかいないとか・・・。
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