第48話
順調な旅路の途中で
「・・・囲まれてるな」
「だな」
男2人が確認し合う中
「守ってあげるねー」
ぽんぽん頭を撫でると
「自分の身位自分で守れる!」
ペイッと手を払われるけど
「ふふふ」
アグ坊は超素直で甘えたな子だったけど、兄のユエン君はちょっと恥ずかしがり屋なんだよねーー、可愛いなぁ!
払う手の強さも優しいし、お耳真っ赤っかなところがね。
素直じゃ無いなぁ〜〜にょほほほほ。
「・・・お前の婚約者、美人だけど顔やばいぞ」
「言うな・・・あ、ユエンがこっちに逃げて来たぞ」
とかわちゃわちゃやってたら完璧囲まれた・・・俺らってマジ間抜けじゃん。
「ご同行願いたい」
「手荒な真似はしたくありません。素直にお従い下さい」
有無を言わせない集団が行手を阻む。
「うーーん・・・これは俺、では無さそう?」
勇者、明らかに視線から外されてるもんな。
「・・・し、使徒様だけで結構ですぞ!」
とか言ってるし。
「こいつらが行くなら付いて行くに決まってんだろ。旅の同行者だぞ」
すんごい集団で囲って来るじゃんって思ってたけど、勇者に怯えてだったって事かな?
「プププ、めっちゃ怖がられてんじゃん」
「うるせー、助けたのに“化け物”呼ばわりした張本人様達だからだろ!」
からかったら、昔のトラウマ掘り起こしちゃった模様。
「え、ごめん」
「これはサウロが悪いよ」
「ああ、前に言っていた奴らか」
心無い罵声を浴びせられて、でも一部の人だけだろうって思ってたらまさかの全員そうで心折れてあの森で髭もじゃ生活やってたって言うんだからマジで世知辛いその中だぜって思ったもんだよ。
城よりも虫だらけの草が良いだなんて・・・
「流石に草は毎度燻してたわ!そん位の知識位あるわっ!!後髭もじゃ禁止ぃ!!!」
ビシッ!!と怒鳴られた。
「あるぇ?・・・テレパシー?」
「声、出てたから・・・」
「しっかり出てた」
やれやれ、な2人の言葉に
「え!?・・・あれ、でも別に変な事は言ってないような??」
「言ったわ!!男の天然なんざ、何も可愛くねーんだよっ!お前、めっちゃ美男だけど!」
“何か言っちゃいました?”は可愛い女の子専用の言い訳らしい・・・俺、別に誤魔化してるつもりないんだけどな。
ギャーギャー身内ネタで騒ぐ俺らに相手が痺れを切らしたらしい。
———ドゴッ!!
“どさっ”と崩れ落ちたのは一番小さくて弱そうなユエンを狙って動いた黒いローブの男。
・・・いや、まあ全員黒ローブなんだけどな?
明らか不審者です。
ユーダイは良く元国の奴らだってわかったもんだよな。
「ふっふっふ・・・ショータイムって奴ね〜〜」
男を即倒させたクロエが妖しく嗤う。
「あーーあ・・・アイツ、スイッチ入ってるわ」
「真っ先に幼児から狙う聖職者とかマジで嫌すぎるんですけどー。ドン引きぃ〜」
「えっ!?聖職者??あの格好で?」
「そうそう。どこの暗殺集団だよって風体だよな」
「邪神とか魔王とか日々召喚しようとしてそう」
めちゃくちゃボロクソ言ってんのにこっちは全然襲ってこないの何で何だ?
手を出されたユエンとそれに応じたクロエは着実に無駄の無い動きで一人一人を締めていってるの本当に鮮やかなんだよなぁ・・・惚れ直すぜ!
ビシッ!
「イテッ!・・・何でデコピン?」
「何かビビビッと受信した・・・後何かムカついたから」
独り身の僻みみたいなもんって言われたらもう何も言えねーよ・・・ってか、俺らってまだ放置なんですかね?
こっちからいきたくはあるんだけど、囲ってる皆さんの全身めっちゃプルプル震えてますよね?
めっちゃ怖がってますやん!
・・・誰か一歩でも動いてくれたら戦意ありって認識でボコれるんだけど。
入るタイミングを完璧に見逃した俺らは只の棒立ち人間である。
「あら、私用に獲物を残してくれてたとか?」
後ろの方に居た奴らを軒並み片付けたクロエが帰ってきた。
・・・はい、クロエとユエンが帰って来てさらに戦力追加だぞ、おい。
どうすんだろ、この集団。
とか思って見てたら。
———・・・遂に一番前に居る人物が両手を空に向けて上げた。
すわ、戦闘が始まると思って構えたんだが
「わああああぁぁぁぁぁっっっ!すみません、すみませんっっ!!!でも、どうしても一緒に来て欲しいんですぅぅ〜〜っっ!!!!」
ズシャアーーっと土下座で懇願タイムが始まったんだが・・・カオスかな?
「「「・・・・・・」」」
いやもう、何て言えと!?
「え、嫌だけど」
勇者、マジ強すぎ!!流石勇者様!!!
“化け物”位でメンタルブレイクとかもう絶対嘘じゃん!
こんな事思ってても笑顔ではっきり言えねーよ、お前以外!
「嘘じゃねーよ!!メンタルは強くなっただけ!後、こんな事で勇者様呼ばわりされたくねーんだけど」
あ、また口に出してたのか俺。
思わず口に手を当てる。
「いや、遅いから」
「学ばない奴は馬鹿」
「ガーーン!!!」
何気に一番ユエンが辛辣な件。
後、断られて茫然自失な奴らとはきちんとお話し合いしまして(物理じゃ無いよ)順番に世界は周ってて後日ちゃんと行くから待っててってお願いした。
そしたら来る前に他国で良いから神殿に手紙欲しいって言われた。
めんど・・・って思ったけど、この集団も俺たちをちゃんと連れて来ましたよって言う体が必要らしい。
で無いと国に無事に帰れないとか・・・いや、知らんがな。
え、そんな物騒な行きたくねーと思ったけどもう約束しちまったし、まあ言ってないけど最後だから行くしか無いのか?
あの集団はバラけて適当に各々過ごすらしい・・・バカンス?
コホンっ、まあ、色々あったけど気を取り直して旅を進めるぞーー!
「おーーーーぅ!!!」
クロエはやっぱりノリが良し!
「おー?」
ユーダイは一応乗ってくれる振りはしてくれるんだよな。
良い奴ではある。
「おーー」
ユエンは相変わらず無表情だけどちょっとクロエに懐いた感じか・・・。
・・・将来はあんな子供が欲しいなぁ。夢想・・・
ゾクッ!
「っ!・・・悪寒が?」
———サウロ、バレなくて行幸。
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