第42話
「うううっ・・・」
と唸る子供を前に
「これってアレだよな」
「うん。絶対神様案件」
2人はこくりと頷き合いながらもテキパキと介抱していく。
救援目的な旅なので、基本害されない限り助ける方向である。
「・・・ここは・・・」
パチパチと木が燃えて弾ける音や、それに合わせてぐつぐつと鍋が煮立つ音で目が覚める。
ぐううぅぅぅ〜〜〜〜〜〜・・・・・・
「おお、起きたか?」
「うーん、もう良い塩梅だと思うよー」
丁度良かったねぇ、と笑う2人の人間は・・・人間とはちょっと違うかも?な空気を纏っていた。
「病人にはこれが良いってミリアちゃんが言ってた〜、“おじや”!」
「おじや?」
聞いた事ない名前の器に入ったドロドロを渡される。
クンクン・・・見た目は酷いけど、匂いは何か凄く良いそれを手元でくるくると回し見る。
「匙で掬って食うんだよ。ほら、こんな風に・・・はふっ!あっっちぃっ!!」
「食べる前にふーふーしてちょい冷まししないとああなるからね」
と、言われたから見よう見まねで女の人の方に習って口をつけてみる事に。
「っ!!?・・・おいひいっ!」
思った以上に熱かったけど、ハフハフしながらお椀の中身を掻き込んでいく。
「はふぅ〜〜っっ、満足〜〜〜〜っっ!!」
おかわりも3回してお腹いっぱいで食事を終えた。
———・・・。
そこで一瞬、沈黙が落ちるが、
「君、アグ坊のお兄さんでしょ?」
「神様からの伝言がありまーーすっっ!“中級神如きに良い様に扱われおって”だって。中々辛辣だよねぇ〜〜」
「え?」
「俺ら、この土地の神様の使徒なんで、ちょっと掻い摘んだ神様事情は知ってるんだよね」
「・・・土の神?」
ここの地の神はアガラの担当だったはずだが。
「土じゃなくて土地ね、土地神様。私たちを使徒にした存在は君たちのお父さんに当たる神様で、事情もその神様から聞いたんだけど話難し過ぎて忘れちゃった」
ミリアに説明したあたりも説明内容怪しかったけど、今回はもう全然思い出せないな、笑!
ただ、
「どっかの神様殴りたい症候群にはなったけど」
「私もソコだけは覚えてるよ。アグ坊の仇みたいな話だったっけ?」
「ひえっ!?」
何か突然の物騒な話に思わず声が出た。
「・・・ああ、お兄さんの話では無かったとは思う」
2人の話にプルプルし出した幼児神に慌てて訂正を入れる。
「そう。何かお兄さんって真面目だけど馬鹿なんだろうなーって言う内容の話だったと思う!」
全然フォローになって無かった・・・寧ろ、泣かした。
「あはは、意外とメンタル弱いんだねーー」
「幼児スタイルだと叱り難いなぁ・・・内容忘れたけど何かそんな気配あったよな?」
泣く幼児に、それを気にする様子も無く平然とスルーして2人でボケボケな会話をしている集まりは、傍目に見て控えめに言ってもカオス過ぎたのだが、それを指摘する者が誰も居なかったのは不幸中の幸いであたのだろう・・・そう、多分、きっと。遠い目。
ユエンが泣いていたのは勿論2人が辛辣だった事も理由にはあるが一番は会いに行っても会ってくれなかった父親がこっちに来て自分には会わずにこの人間達に会っていたと言う事実に目の前が真っ暗になった結果である。
しかも自分への伝言が叱責。
「ここに入れなかったって事はーー、アグ坊に悪意持ってるって事だからぁーー」
「ミリアが絶対許さんだろうな」
侵入は諦めた方が良いぞ。とアドバイス。
このままここに居ても、後は干からびて死んじゃいそうなんだもんなぁ。
既に先程まで倒れて意識の無い状態であったのだからと言われれば、ぐうの音も出なかった。
まごう事なき事実である。
「だからさぁ、一緒に行かない?」
「はぁ!?」
「まあそれはアリか」
「実際に世界の現場を見て、聞いてみたら何かわかるかもよ」
何か2人からとんでも提案されたけど。
此処に居ても進展が見込めそうにないからそれも良いかもしれない。
父上からの忠告もあるしな。
ユエンは2人に同行する事に同意した。
———これからは3人旅になる
「よろしくお願いする」
「あはは、固い固い!もうちょっと砕けてもらって良いのに」
「まあ徐々にだなぁ」
とわちゃわちゃやる3人組が各地でよく見られる様になるのにはそう時間は掛からなかった。
———因みに、水の神は地上に顕著は出来ない存在なのでこの場には居ませんでした。
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