第3話 私の話
私は21時になるまで、自分の部屋で静かに過ごす。
部屋でスマホをいじったり、宿題をしたり、たまにモモと電話をする。
21時が過ぎると、サッとお風呂に入り、冷蔵庫からご飯を取り出しチンして自分の部屋で食べる。
洗い物は次の日朝ごはんの食器といっしょに洗うので、勉強机の上に放置する。
これが私のないとルーティーンだ。
こんな生活をしているからなのか、私の心の中での独り言は大きい。
空想や妄想もはかどってしまう。
「華のセブンティーンなのに」
たまに心の声が漏れ出てしまうことも。
十七歳の女子高生って、もっとキラキラした生き物だと思っていた。
現実はあくまで現実だ。
多くの人を共感させる恋愛ソングも、キラキラした青春ソングも、みんな大人が忘れた過去を美化して作り上げた妄想なんじゃないかと、リアルセブンティーンの私は思っている。
「私の人生、いつになったら輝くのかな」
過去を振り返っても、そんな時期は思い出せない。
なら未来に期待するしかない。
現実逃避だけが上手になっていく。
「もし、あの時お母さんに引き取られていたら何か違ってたのかな。」
こんな時はいつもそう考えていた。
七歳のあの日、両親が離婚した日は今でも鮮明に覚えている。
私の人生の大きな分岐点。
もし、お父さんじゃなくてお母さんに引き取られていたら、私は今頃もっとキラキラした十七歳になっていたのかな。
妄想や空想みたいな出来事を現実で体験していたのかな。
恋の一つでも体験していたかな。
そんなことを夜な夜な考えては、私はまた自分が嫌いになる。
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