第34話 新な鉱石
少し先に進んだ、マシュマロとポッキーが森の中を鎌首を持ち上げながら気にしていた。
その様子を見ていた、ショコラとプリンも森の中を警戒し始めた。
「クレイ、みんなんの様子が少しおかしいけど、どうしたんだろう?」
「この感じは魔物ではない様だよ。」
「行ってみようか?」
「そうだね。行ってみよう。」
森の中を進もうとした時、ショコラが私達の前に来てマシュマロとポッキーが私達の両サイドを守るように進んでくれた。
暫く進むと、少しだけ開けた場所があり、その向こうには山の崖がそびえていた。
その開けた場所をショコラが掘っている。
「ショコラ其処に何か埋まっているの?」
マシュマロとポッキーも見ている。
冒険者達が何か掘るものは無いかと言い出したので、テントから人数分のスコップやツルハシを出した。
暫くみんなショコラが前足で掘り進んだ後を、少し深く山に向かって堀進と、みんなの道具の先に何かが当たった土を払いのけ見て見ると、綺麗な透明な石の塊が出て来た。
「クレイ、これって水晶かなぁ」
「ちょっと見せて、多分だけどダイヤモンドじゃないかなぁ」
「ダイヤモンド、ショコラが向こうの山の方に掘り進んだってことは、あの山が鉱山って事。」
「そう言う事だろうね。」
「ちょっと、お父様と、ギルマスに念話を送ってみる。」
皆様、リズです。お忙しいところ申し訳ありません。今「死の森」で多分ダイヤモンドの鉱石を発見したのですが、どの様にしたら宜しいでしょうか?
念話でのやり取りが聞こえて来た。その後お父様から、すぐに現場の確認をしたいが迎えに来てくれるだろうか?と依頼を受けたので、ショコラとプリンと私で向かうと返事をした。
私とプリンが王都の外に向かうと、国王夫妻に執事セイルにシャルレ卿と両ギルマスが揃っていたので、直ぐにプリンの背中に乗せ「死の森」に向かった。
現場から少し離れた所に降り立ち、その場所まで皆さんには歩いて貰った。
その場所に着くと冒険者達はその付近をやまに向かって掘り起こしていた。
その後ショコラが山の岩場に飛びつき前足で岩場を掻いて見るとそこからも岩石が取れ、それを咥えてショコラが私の手元に持って来た。
それと、先程取った岩石それと私達が皆さんを迎えに行って居る間に冒険者達が掘った岩石全てを国王夫妻や他の皆さんに渡して見せた。
両ギルドのギルマスが鑑定し、やはりこれはダイヤモンドで間違いないとなった。
そしてショコラが持って来た岩石はダイヤモンドではなく魔石だった。
その後みんなで、今後の採掘作業の話し合いが始まったのだけど、貧民街の取り壊しと各領地の農作物の収穫が終わる迄の間暫くはこのまま放置することに決まった。
その間、両ギルマスが採掘作業要員の確保と必要な機材の準備をすることで話が纏まった。
掘り起こした場所は土などを被せ復元した後プリンに乗って王都迄みんなで戻ってきた。
冒険者ギルドの解体所を訪ね魔物を出して行った。明後日からのダンジョン探索用の魔物肉百匹分の解体と素材買い取も一緒にお願いした。
その後ギルマスを訪ね明日改めて来ることを伝え宿屋に帰った。
◇ ~ ◇ ~ ◇
明日はテントを王都の広場に出さなくてはならない日だったなと思いつつベッドに入ってすぐねむりについた、
早朝食事を終えると、みんなで冒険者ギルドに向かい、ギルマスと共に貧民街から南端の空き地に向かった。
ショコラに隠密スキルを掛けて貰いテントを隠して貰った後テントから二百張のテントを出した後わたしのテントを片付け、隠密スキルを解除して貰った。
集まった貧民街の皆さんには暫くの間不自由をお掛けする事を詫びながら、一件に一張のテントを渡して行った。家族が多い所は申し出て貰いもう一張渡した。
テントの立て方を教え出来上がった順からお引越しを開始して貰っている。
その後市場に行き、いつものおばちゃんから調味料を買い両ギルドから食料品や肉を受け取り、いつもの様に、北と南の領地を目指し、明日から三日間来ないことを伝えた。
それぞれの領地のギルドに向かい調味料や食料品にお肉を渡した後、今の麦や野菜の収穫が終わったら、何を植えるか検討して置いて下さいと伝えた。
マシュマロとゼリーをそれぞれテントで休ませながら、明日から三日間此方に来ない事を伝えた。
その後ドララド村とラード村にも明日から三日間来ないことを告げ、魔物を解体場に出して行った。
王都に帰り解体場を訪れ、昨日依頼した魔物肉を受け取、王都で配布する分の魔物を出し、ギルマスを訪ねた。
「明日より三日間ダンジョンに潜ってきます。」
「分った、これが昨日の買い取分金貨三千枚だ。」
「ありがとうございます。」
「各冒険者に金貨百五十枚ずつ渡し、此方は積み立てて置く、確認しといてくれ。」
「「「ありがとうございます」」」
「明日は此処に寄って行くか?」
「いえ、王宮で七人を預かり、そのままダンジョンに向かいます。」
「そうか、それなら気を付けて行ってくるんだよ。」
「ありがとうございます。」
ギルドを出た後王宮にお父様を訪ね、明日よりダンジョンに向かう報告と、明朝六時に王宮の独房に入っている、七人を迎えに来ることを伝えた所、
「分った、では明朝六時王都の外まで騎士団が連れて行こう。」
「ハイ、では王都の外でお待ちしています。宜しくお願いします。」
「所でリズ、貧民街の皆の期待が大きいのか、皆の転居が早く済みそうなんだ、解体作業を数日前倒しするかもしれないが良いか?」
「ダンジョンから戻った後であれば問題ありません。テント機能と空間を王都の壁を繋げる機能の付与には余り時間は掛かりませんので。ダンジョンから出た時に一度皆さんに念話を送ります。その時詳しくお伺いできれば確かります。」
「分った。連絡を待っているよ。では、気を付けて行っておいで。」
「ありがとうございます。」
と言って、お父様のお部屋を後にした。
その後宿屋に向かい夕食の後ゆっくり休んだ。
暗いうちに起き出し、朝食を済ませ、王都の外を目指した。
王都の外では騎士団や冒険者達がすでに待ってくれていた。
「遅れてすみませんでした。」
「いえ、朝六時と指示されていたのですが、早く来てしまったのはこちらです。お気になさらないでください。」
「ありがとうございます。」
「では、リズ様こちらの七人をお引渡し致します。」
「はい、確かに七人の身柄を受け取りました。ではこのまま向かいます。」
「お気を付けて。行ってらっしゃいませ。」
「言ってきます。」
彼等の周りをショコラ、クレイに少し大きくなった、マシュマロとポッキーと冒険者達が素早く取り囲み、そのまま彼等をプリンの背中に乗せて「死の森」目指して飛び上がった。
「ねえ、リュウガさん達はあのダンジョンを覚えていますか? バタバタしていて確認するのを忘れていました。」
「はい、あのダンジョンに潜るのなら、案内しますね。」
「お願いします。 ショコラとクレイに初めて会った時、あのダンジョンからドロップしたお肉の残りを食べて貰ったの。それが又食べたいって言うから、潜る事にしたの。」
「確かに、あの時食べた肉や魚の味は最高だったよな。みんな」
「「「そうだな、あの味には出会えて無いなあ。」」」
「何、魚もあったのか?」
「「「ああ、美味かった。」」」
ショコラの尻尾が魔物討伐の時より揺れている。嬉しそうだ。
そうこう話すうちに「死の森」に着いた。
リュウガが先頭を歩き、最後尾を私とクレイが進み、七人の横を他のみんなでカバーして貰い、お目当てのダンジョンの前に着いた。
暗殺された国王の娘に転生した俺は【万能テント】で異世界の山々を踏破する! @yamatosumi
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