第29話 休憩所


 畑の開墾作業の間マシュマロにはテントに入って休んで貰った。

 ギルマスに農作業が出来る方々を選んでくれていたので、テントから、鍬や鋤き、ツルハシやフォークを人数分取り出し渡して行った。みんなショコラとプリンの堀起こした後の土を細かく慣らし、必要な畝を作ったり、そのまま植えたりして、広大な畑が完成した。

 開墾作業の間にクレイと二人でこの領地全ての井戸水に癒しの魔法を掛けて行った。


 その後水魔法が使える方に出来たばかりの畑に雨を降らせて貰った。

 その後ギルドから預かった食料や調味料を渡し、みんなが倒した魔物を受け取り、ワイバーンのババロアとマシュマロ、にこの領の警護を頼んで、南の開拓領に向かった。


 南の領でも同じようにギルドの休憩所に疲労回復と魔力と力を回復する効果を付けて、こちらでも北の領地同様の広大な畑の開墾と植え付けを終了した。

 開墾する間ポッキーにもテントで休んで貰い、ワイバーンのゼリーとポッキーにこの領地の警護を頼み、ここでもみんなが倒した魔物を受け取り食料と調味料を渡し王都に帰って来た。

 昼食を済ませ魔物解体場に向かい北と南の領で預かった魔物の解体を頼んだ。


 その後王都の外に向かうと鉱石の採掘作業をされる皆さんがちょうど集まって来ていた。

 暫くすると、ギルマスが全員揃ったと言ったので皆さんにはテントの中に入って貰い「死の森」に出発した。昨日同様ショコラの先導で洞窟に着いた。ショコラと冒険者で内部を確認した後作業員の方にテントから出て貰い洞窟に入り作業を始めて貰った。


 ショコラは退屈したのか、洞窟を飛び出し魔物を狩って来た冒険者も交代でその辺りで魔物と戦っており、わたしは魔物の回収にクレイと向かって行った。

 洞窟の上空からワイバーンのクッキーに警護して貰っているが、いつの間に倒したのか、魔物が天から落ちてきて、ビックリさせられた。

 時々念話でババロアとゼリーに開拓領の様子を聞きながら採掘が終了した鉱石をテントの中に収めて行った。作業が二時間経った頃に、作業員の半分を交代でテントの中で休憩させ作業に戻って貰った。


 その後ショコラが休憩し、プリンとクレイが休憩をした後、私が休憩をした。腹が減ったとショコラが言い出したので、クレイと慌ててお肉を焼き作業員のみなさんも一緒に休憩をして貰った。その後クッキーもお肉を食べテントで休憩し又頑張って上 空からの監視を頼んだ。


 先程までテントで休んで居たプリンが、今度は飛び出して行き魔物を空からどんどん落としてきた。

 クレイと慌てて外に飛び出し魔物をテントの中に仕舞い込んでいたので、みんなが採掘した鉱石をしまうのが遅くなり、今度は二人で鉱石をどんどんテントの中に放り込んで行った。

 その後、外を見たら、魔物の山が出来ていた。ありがたいけど、大変な一日になってしまった。


「プリン、クッキー今日の魔物は十分あるから帰って来て。」と念話を送ったら、

「今そこにおる魔物を片付けたら戻るからもう少し待っておれ。」と返事が返って来た。

 言われた通り、魔物の山を片付け、鉱石を片付けていると地震のような揺れを感じみんながあわてて外に飛びだしたら、そこには、とんでもない魔物が落ちていた。

「クレイこれドラゴンだよね。」

「ああ、ボマルツドラゴンだね。」

「プリンとどちらが強いの。」

「プリンのほうが強いに決まっているけど、ボマルツドラゴンもかなり強いはずだよ。」

「そうなんだ。でもこのドラゴン食べられるの。」

「食えるぞ、かなりうまい。」とショコラが答えてくれた。

「では皆さん今度このボマルツドラゴンを解体して貰ったら、プリンに驚かされたお詫びにみんなで食べましょうね。」と、作業員の方々と約束をした。


 この大きさテントに入るかなぁ。と心配したが、テントに吸い込まれるように入って行った。

 採掘された鉱石も直し終えたので、

「では皆さん、暗くならないうちに王都に帰りましょう。皆さんはテントに入ってお休みください。」とテントで休んで貰いながら私達は王都に向かった。


 王都に着くと作業員の方々とはあすの明朝の集合時間を伝え解散した。

 その後冒険者ギルドの魔物解体場に向かい、魔物を届け、職員の方々にテントで休んで貰いながら、 テントの機能付与についてギルマスさんに相談して見よう。


 早速ギルマスを訪ね、今朝開拓領のギルド休憩所に私のテントと同じ機能を付与した事を伝え、魔物解体場の職員の方々の疲労が激しいので、職員の方々の休憩所に付与して良いか聞いて見た。

「出来るならぜひお願いしたい。」と、逆に懇願された。

「このところのハード勤務で皆の疲労がピークに達している。」と言われた。

「申し訳ありません。直ぐに設置させて頂きます。」

 休憩所に移動してテントの機能を直ぐに付与した。ギルマスに商業ギルドのギルマスとドララド村とラード村のギルマスにも付与に向かう事を連絡して貰い、魔物を届けながら、テント機能を付与して回った。その時両村に病気の方が数人居る事を聞いたので一緒に癒して回り、ご家族に大変感謝された。


          ◇ ~ ◇ ~ ◇


 その後、両方の開拓領のババロアとゼリーとマシュマロとポッキーに状況を聞くべく念話を送って見た、退治した魔物が沢山居る事とお腹が空いたと呟かれた。

 直ぐに北と南の領地の向かい。魔物の回収を行いテントで休ませながら食事の準備をして食事をさせ、その後又領地の警備を頼んで王都に帰った。


 今朝から食事の準備をするときババロアとゼリーにマシュマロとポッキーの分も一緒に作り開拓領に行った時直ぐに食べさせられるようにした。


 その後両ギルドで開拓領の食料と器材を受け取り、魔物解体場でお肉を受け取った後、今度は今から出す分は私的です。と昨日のボマルツドラゴン他魔物多数を出し解体と素材の買い取依頼をした。 

「これを解体していいのか?」 と、職員の方々にビックリされた。

 その後こちらが王都の方のお渡し分の魔物ですと又多数出して渡した。


 その後王都の外で採掘作業者達や冒険者達と合流した後、昨日同様プリンに乗って「死の森」の洞窟に向かった。

 ショコラが洞窟の前で警戒を始めた後、作業員の方々をテントから出さないように念話を送って来た。ショコラとクレイが洞窟の中に入って行き、今度はプリンや冒険者達も入って行った。


 そんなに強い魔物が居るのかな?と思って覗いたらクワッドネックサーペントやトリプルネックサーペントが各一匹とイーストサーペントにウエストサーペントが大量に洞窟に入り込んでいた。みんなクレイの二倍以上あるこれらをサクサク倒している。

 最後のクワッドネックサーペントをショコラが討伐しトリプルネックサーペントをクレイが討伐し他のサーペントをプリンや冒険者達が倒してしまった。


 倒したサーペントをテントに直し、作業員の方々にテントから出て貰い、採掘作業に取り掛かって貰った。

 ショコラと冒険者を洞窟に残し、クッキーには空からの護衛を頼み、私は開拓領にプリンとクレイで向かった。

 まず北の領地に向かいババロアとマシュマロに食事を与えた後テントで休ませている間に、夜の内に倒した魔物を回収。

 その後、ギルドに向かい食料と器材を渡し、畑や町の様子を確認した後、ババロアとマシュマロに後をお願いし南の領地に向かった。

 ゼリーとポッキーにも食事を与え、彼等を休ませている間に魔物の回収とギルドに向かい食料や器材を渡し、後は北の領地と同じように確認を行い、「死の森」に戻りっていた。


 こちらでも、昨日同様魔物の回収と鉱石の回収に追われた。今日のショコラは魔物狩りに出た後、洞窟の壁を掻き鉱石を採掘していた。

 冒険者達も魔物狩りに出た後採掘作業を手伝っていた。お昼近くになり、クレイと食事の準備を始めたその間、冒険者達とショコラにテントに入って休んでもらい、食事の後は作業員の方々にテントで休んで貰った。


 その後私達プリンとクッキーにクレイと私がテントで休み、その間ショコラは腹ごなしに狩りに行って来る。 と森の中に入って行き討伐した魔物で山を作っていた。

ショコラと冒険者達は鉱石の採掘を手伝っていた。

 私とクレイは、ショコラ達が倒した討伐魔物の回収や鉱石の回収に追われ気が付いたら日が傾き始めていた。


 王都に帰り作業員の方々と解散し、冒険者ギルドのギルマスに報告を行い、今朝解体と買い取を依頼した分の買い取金額をギルマスが机に乗せていた。

「これが今日の買い取金額、金貨一万枚だ。」

「金貨一万枚?」

「ボマルツドラゴンの皮なんて出る事はまずないからな。公爵家が取り合いになり分け合ったがそれでもこの金額だ。」

「クレイに聞いては居たけど。そんな凄いドラゴンだったのですね。」


「奴は「死の森」のボスの片割れだ。そして今朝倒したクワッドネックサーペントがもう片割れのボスだ。」と、ショコラが答えてくれた。

「何。クワッドネックサーペントも持っているのか?」

「トリプルネックサーペントも持っておるぞ」

「お主等には驚かされるばかりだ。」

「では、リュウガ達とラスパル達に報酬をお願いいたします。」

「分った、手渡し分はこれだ。後は入金しておくから確認しておいてくれ。」

「「「「分りました。」」」」

 気のせいか今迄で一番いい返事を聞いた気がする……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る