幽世で遠足

小学校の遠足を三日後に控えたある日。
五年二組の同級生たちが楽しみにしている中、僕は憂鬱だった。班分けで大嫌いな木村と同じ班になってしまったこと、木村の取り巻きである安田と八代によるいじめが心配で仕方がない。
放課後、僕は帰らず公園で時間を潰しているところを、木村たちに見つかってしまう。
いつも通りのいじめがはじまり、怖くなって公園遊具に逃げ込んだ。
そのうち、いじめっ子たちはいなくなり、遊具の中から抜け出した。
僕の目の前には、人のいなくなった町が、広がっていた――