詩の部屋 13
○ 37
炊き立てのご飯をよそいながら
ここに住んでいたのはどんな人なのか
などと考えてみる
焼いたばかりの肉を一口
頭に浮かんでくる川にはかつて行った気がする
みそ汁を一口すするときには
どうしてここにいるのかは忘れている
○ 38
食事を終えるともうすっかり陽は暮れていて
私は詩の部屋のもう一つのドアを開ける
その部屋には何枚かの毛布が積まれていて
かつて言葉だったものがたくさんくっついている
私はそれらが落ちないようにそっと
二枚の毛布を詩の部屋へと運んで
毛布とそれ以外のものを被ってソファに横たわる
○ 39
ソファに横になったがやはり
眠るにはまだ時刻が早すぎる
そこにまた猫がやって来る
話し相手になってくれるのかと思いきや
机が空いたのを見てトランプを取り出す
やっているのはまた占いなのだろうか
眉間に皺を寄せたその顔をずっと見ている
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