詩の部屋 8


  ○ 22


猫をこっちへ呼ぶが

彼はタロットカードを並べて

誰かの運命を占っている

私のことではないと思うが

逆さまの「吊るされた男」のカードが見える

猫と目を合わさないよう庭を向くと

名前の知らない花が咲いている


  ○ 23


詩の部屋の隣にあるキッチンに

アンティークに見える食器が入った棚がある

食器に小さく彫られているのは見たこともない文字

いや、ただの装飾なのかもしれない

小奇麗な切子きりこのコップに水を入れる

陽の光が小さく反射して

コップに詩がいくつか浮かび上がる


  ○ 24


窓を開け放ったまま

詩の部屋の床に座ってみる

窓のところにやって来た三羽の緑色の鳥

二羽は何か喋っていて

もう一羽はずっと部屋の片隅を見ている

彼女らはこの部屋の住人で私はただの邪魔者

私を無視して二羽のおしゃべりは続いている

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