詩の部屋 5


○ 13


台風のときに横倒しにしたままの脚立

少しずつ伸びてきた蔓草が

しっかりと巻き付いて抱きしめている

かつて私にずっと質問をしてきた少女がいて

その質問よりもずっと大切なことに気づいたのは

それが通り過ぎた後だった

台風一過に産まれたばかりの空っぽだけが残って


○ 14


詩の部屋のソファに座って

何も考えることがないことを

嚙みしめる

心臓の向こう側で

コトコトと鳴っているものは

何なんだろう

許可が無いので窓は開けられない


○ 15


静寂と一緒にこの部屋に来たのに

今包んでくるのは

真っ白なノイズ

何度かふぅー、って

息を吐いてとりあえず

顔の周りだけは近づかせない

もう一度ふぅー、ってやるとノイズはもっと大きくなって

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