第5話
乾杯を済ませてすぐ、野口さんが「実は」と話を切り出した。少し照れくさそうに。
んん、なんだか嫌な予感。
「実は結婚が決まったんだ。上司には今朝報告したんだけど、二人にも直接報告したいなと思って」
「おめでとうございます!お式挙げられるんですか?」
「おめでとうございます」
「ありがとう。式は冬ごろ挙げられたらいいかな。身内だけで済ませようと思ってるんだけど、二次会は来てくれよな」
「「はい!ぜひ!」」
わー。ショック。
そのあと、野口さんに彼女との馴れ初めや画像を見せてもらったりした。正直思った以上のダメージで自分でも戸惑っている。
野口さんは、私が入社後3か月間の研修を終え営業部に配属されたときからOJT指導**をしてくださった。
2年目からは久保先輩と二人で行動するようになったけど、野口さんは久保先輩のOJT指導者でもあった。
本当に優しくて丁寧で、頼りがいがある信頼出来る上司だ。
こんな素敵な旦那さん捕まえて、奥さんになる人幸せ者だなあ。
じわりじわり、悲しみが胸を埋め尽くしていく。
**OJTとは、実際の実務を通じて先輩や上司が業務を教える方法
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