第4話

「いや佐々木はこっちだろ」



「えー」



「えーじゃねえよ」



「お前らほんと見てて飽きない。名コンビだな」




会社の最寄り駅近くの居酒屋に適当に入った。



半個室で、のれんで仕切られた4人掛けのテーブル席に案内され、野口さんの隣に座ろうとして先輩に腕を引っ張られた。仕方なく先輩の隣に座って、メニューを二人に向けた。




「野口さん何飲まれます?」



「ウーロン茶」



「えー飲まないんですか?」



「今日はちょっとね。佐々木さんと久保は?」



「先輩は生ビール二杯のちハイボールのちワインのち、のエンドレスですよね。わたしも生で」



「よく知ってるね佐々木さん。さすがよく2人で飲みに行ってるだけあるね」



「こいつすぐ俺に奢らせるんですよ」



「ははっ。そりゃこんなかわいい後輩に先輩~なんて言われたら奢る一択だろ」



「やだ野口さんかわいいだなんてそんな」



「お世辞だ」



「もう、なんで先輩がお世辞とか言うんですか」




ニヤニヤと笑う先輩に小言を言いながら、備え付けの端末を操作して飲み物と料理を注文した。

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