第3話

「久保―、佐々木―、行ける?」



「「はい」」




部屋のドアの前からの野口さんに、先輩が軽く頭を下げる。




え。え。




「先輩も一緒だったんですか?」



「言ってなかったっけ?」




ふん、と鼻で笑った先輩。



わざと言わなかったんだ!




「恥ずかしいじゃないですか。浮かれる私を見て心の中で笑ってたんですね」



「いや、かわいいやつだなって思ってただけ」



「今鼻で笑ったじゃないですか」



「気のせいだろ?」




ほら、野口さんを待たせるなと急かされ二歩先行く先輩を追いかけた。

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