第五話 雑草にまさる草はない
『雑草にまさる草はない』
異世界インディード。ここに一人の少女がいました。
彼女はライラという十五歳の女の子でした。
両親は王都で雑貨屋を経営しているがとても貧しく、いつもライラは近所で雑草取りのアルバイトをしていました。
そしてその雑草の中から食べられる草を見つけては、それを麦粥に混ぜて食べる生活をしていました。
近所のエルジュおばあちゃんから雑草知識を教わるようになります。そうしてライラは雑草にとても詳しくなりました。
そんな少女も知り合いの旅商人と一緒に近くの町まで両親の代理として荷物運びの仕事を受けます。その度の途中、食べられる草を見つけては拾って歩き、旅にしては豪華な食事を作って見せるのです。その温かい雑草スープに旅商人も目を見張りました。
「ライラ、君の雑草知識はとても優秀だ」そう言われ、ライラはそれ以降、いくつかの知り合いの旅に同行するようになりました。
また擦り傷などができたときには薬草を採取してきて使用したりと活躍します。
両親の雑貨ってんにはライラの雑草コーナーが出来ました。そこにはハーブティーや薬草などがたくさん並んでいます。
ライラたちがある村を訪れたとき、その村では伝染病が流行っていました。ライラは急いでその伝染病に効くとされる雑草を採取してきます。村人たちは最初そんなものが効くのかと疑問を持っていましたが、ライラの持ってきた雑草を服用しているうちにみるみる効いてきたため、村人たちは大変喜びました。
ライラの両親も雑貨屋のうち、どこでも買えるようなものを減らしていき、メインを雑草関連に絞っていきます。ここにライラの雑草店が誕生したのでした。
そんな王都では死にはしないものの珍しい病気が流行ります。その特効薬にある雑草が効くとライラはおばあちゃんから聞いていたのです。
そのため、ライラは奔走して雑草を集めます。王都で雑草は高く評価され、ライラの評判はうなぎのぼりでした。
王様もライラに目を付けます。ライラに雑草料理を出すようにと命じました。これにライラは応え、さまざまな雑草を王様に食べさせます。最初は見下していた家臣たちも王様がその料理を絶賛すると態度を変えるのでした。
雑草ラブのライラちゃんがかわいいですね。こういうほのぼの系の話もなかなか楽しいと思います。
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