第4話
「みんなこんにちわっ!こんっ!チーナだお!?」
おれは、チーナという名前で音楽家をやっている
音楽家、といってもピアノを弾いて作詞作曲をするだけなのだが
おれは、ピアノ弾いたり作詞作曲することには、誇りを持っている
でも、さっきのパフォーマンスは自分でもやってて恥ずかしい
そもそも、厨二病から卒業してもいい歳の男が、キツネの仮面を被るコト自体、痛々しさを感じるのに、なんでこんなことを……
あぁもう、おれは多分客から可愛らしい美少女だと思われてるだろう
声も、女の子っぽく作ってるし
顔は、お面で見えなくとも髪は長いし
体型も、胸が膨らんでない少女体型
身長も165センチいってない
ついでにあんまり太らない体質で体型維持とかにも気を使っているつもりなのでシンデレラ体重だ
多分、女の子でも妹の体型が貧乳だからおれも貧乳になっていたと思う
ん?妹はまだ中学生だからこれから……?
わかってないな、おれの実の母も言いたくないがみんなから貧乳って言われてたらしいんだぞ
まぁ、こんなことは火星にでも置いといて
「みんなっ!今日は聞きに来てくれてっ、ほんとにありがとっ!!」
キャラ作り
レア度なんてこの際気にしていられない
かわいい美少女としての面目を保つために観客に媚びを売る
そして洗脳させる
おれは、かわいい美少女なのだと
そうすることで、これからのパフォーマンスで観客の受信する印象がよくなる
なんでもそうだ、高身長イケメンか、美少女
質の高いパフォーマンスでも、こういうことで印象に残ったり人気になったりする
衣装だって、恥ずかしいけど少し可愛らしい衣装をチョイスしている
おれだって男だから、ホントは男性モデルさんが着てる服を着たい
でも、おれはチビで童顔だから、着こなすことはできない
なので、お面で顔を隠して雰囲気美少女にしてごまかしているのである
それでも、ファンというものは怖いもので……
「きゃーっっ!チーナちゃん、かわいいーっ!」
「チーナちゃぁぁん!付き合ってくれぇぇ!」
「チーナたん!チーナたん!!」
うん………………
みんなおれが実は男だということを知らない
それっておれが女の子の演技上手すぎるってこと?
まぁ、多分バレたらブチギレられてぶち殺されるからなぁ……
「てへっ☆みんなが、喜んでもらえるように、今日はこの曲を披露するね?」
なるべく、美少女っぽくだぞ〜
美少女っぽく、カワボで……
今日は歌の披露がないから、ラクではある
ラク(普段よりは)というだけで、かなりキツいのだが……
そして、おれはすでにセットされてあるピアノの椅子に座る
ここでも、なるべく女の子っぽいカンジを意識して座っていきたい
今のおれは神秘的な美少女設定だからな……
「それではっ!みんな聞いてってね〜っ!」
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