「残ればいいじゃないっ♩」
「………え!?いいの!?」
「ずっとママと相談してたんだけど、やっぱ高校生活も日本で大好きな人たちと過ごしたいだろうし」
と、きゃぴきゃぴなママと眉を下げて微笑むパパ。
「でもっ、ここで1人で暮らして高校って…いいのかな…」
「あっ、それは大丈夫!ママとパパの提案でねっ」
そして、私はとりあえず制服と最低限の荷物を持ってある家の前に来ていた。
やばい、なんかドキドキしてきた…!
えっこの家来慣れてるはずなのにインターフォンは伸ばす手がぶるぶる震えて止まんない…!
頭の中で、さっきママとパパに笑顔で「いってらっしゃ〜い♩」と言われた事を思い出す。
お気楽すぎでしょ…!?うちの両親…!
そしてやっとの思いでインターフォンを押す。
すると少ししてバタバタと家の中からこちらに向かう足音がした。
ガチャ
「郁ちゃ〜〜ん!いらっしゃい!話はちゃんと聞いてるわよ〜!」
「おばさんっ!なんか急でごめんなさい…!」
「いいのよ〜!ほらっ入って入って!」
そう言って笑顔で私を迎え入れてくれたこの人は蓮兄のお母さん。
そうなのです、なんと蓮兄の家に居候する事になったのです。
「ーーママとパパの提案でねっなんと!お隣の蓮くん家に郁の事を頼んじゃいました〜!」
頼んじゃいました〜ってママ……
グッジョブすぎる……!!!
「蓮ー?ほら降りてきてー!郁ちゃん来たわよー!」
と、2階に向かって声をかけるとしばらく経ってリビングにやってきた蓮兄。
相変わらず、ビジュ良…!
「おっ郁。来たか」
お風呂上がりなのか、まだ少し髪が濡れてる蓮兄。
そしてさりげなく私の持っていた少ない荷物を持ってくれた。
「あれ?荷物これだけ?」
「あっ家の鍵は持ってるし少しずつ持ってこようかなって!」
なるほどっと言いながら蓮兄は「部屋案内するよ」と言った。
「郁ちゃん!ここ、自分の家だと思っていいんだからね?いっぱい私の事も頼ってね?」
と、おばさんはにっこり微笑みながら言った。
芹沢家…!優しすぎるでしょ…!
「げっ!まじで来てるし……」
こいつを除いては…!
「こらっ俊!そんな事言わないの!」
「バカ郁がいると家が狭くなるだろー」
と言いながら冷蔵庫を開けながらお茶を取り出す。
少し幼いこの子は芹沢 俊。
蓮兄の弟で、中学2年生だ。
「おーいそんな事言うなって。どうせ楽しみにしてたくせに」
「ばっ!んな訳ないだろバカ兄貴!」
なんて言いながらお茶を飲んですぐにリビングを出ていった俊。
「…まっ、何かあればしめちゃっていいから!気にしないでね郁ちゃん!男ばかりなんだもの、娘が出来たみたいで嬉しいわ〜!」
そして、おばさんに挨拶も終えて私は蓮兄と2階へと来た。
くそう〜俊め…反抗期真っ只中かよ〜…
いいんだけどさ〜蓮兄の弟だし……
「部屋、ここ使って。親父が使ってたんだけど、単身赴任でしばらく帰ってこないから。」
そう言って綺麗にされた部屋に案内される。
「あとなんか必要な物あったら遠慮なく言えよ?」
「えへへ、ありがと蓮兄っ。急でごめんね〜…うちの両親気分屋でさ…」
部屋に荷物を置いてくれる蓮兄の後ろから声をかけた。
結果はオーライなんですけどもね……?
「郁のお母さんとお父さんらしい発想だよな。いいじゃん、俺も郁来るの楽しみにしてたしさ」
たの、楽しみにしてた…!?蓮兄が!?
「ええっ蓮兄楽しみにしてくれてたの…!?」
「え?そりゃ楽しみにするだろー。兄弟が増えたみたいで新鮮じゃん」
へらっと笑って言う蓮兄。
あは…やっぱ妹としてしか見られてない…!
もっと頑張らなくちゃじゃんわたし…!
「風呂入っておいで。寝る時間短くなっちゃうよ」
と、私の頭をぽんぽんと撫でて蓮兄は部屋を出ていった。
私は蓮兄の触れた頭に両手を置いてその場に座り込んだ。
はあ……ほんと好きだ蓮兄〜〜……。
そしてお風呂。
ちゃぽん、とお湯に浸かりながら考えた。
産まれた時からずっと一緒だった蓮兄。
どうやったら意識してもらえるんだろう…。
それにまさか一緒に住む事になるなんて思ってもみなかったし…!
「……蓮兄、好き…大好き…」
なんて、本人に直接言えたらいいものの、そんな勇気なんてない。
小さい頃からずっと好きだったんだ!
長期戦には慣れっ子でしょ郁!
頑張るんだよ…!女を磨くんだ…!
ぶくぶくと、口まで浸かっていると、だんだんとのぼせてきている感覚になる。
やば…早く出なきゃ……
ってなんか、身体が動かな……
ガチャ
「ってうわあ!?バカ郁…!?おまっ電気ぐらい付けろっ…て、おい!大丈夫か!?っ…兄貴ーっ!バカ郁がー…っ!」
へ…?俊…?
だめ…蓮兄は呼ばないで…
そして私の記憶はここで途切れた。
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