空白
@narikawa_
第1話
私の名前は成川 郁。
今日は待ちに待った高校の入学式です…!
「おーい〜!郁〜!」
聞きなれた声がして振り返ると、にこにこと手を振りながら私の方へ駆け足でやってくる梨花と大樹がいた。
「わああ〜!梨花〜!大樹〜!制服超似合ってるよ〜!」
「郁も似合ってるじゃん!3人一緒にこの高校に入れたの奇跡だよ嬉しい!」
「中学の頃と変わんなくて嬉しいよ俺は…!」
この子たちは相沢 梨花と、池田 大樹。
この2人は中2の時から付き合っていて、でも中学の時から私たち3人は何するもずっと一緒で、ずーっと仲良しだ。
私たち3人は嬉しさのあまり抱き合った。
「あ!それはそうと郁!蓮さんに見せた!?制服!」
「…っは!まだ…!」
「なあにやってんだよ〜!こんな日はまず第一に蓮さん探して見せるべきだろ!」
「だってえ〜…まずは3人で写真撮ったり見せ合いっこして喜びたかったんだもん…」
私はそう言うと、梨花と大樹はぽかんとしながら私を見た。
だって3人で一緒に受かろうねって約束してから一生懸命勉強して、念願のだよ…?
「あんたって子は…!」
「俺泣きそうだよ…!何だよちくしょー!」
そう言いながら2人は私を抱き締めるんだ。
「ちょちょっ、なあに2人とも〜…!」
「大好きだよ郁〜!!」
「俺もお前ら2人とも大好きだばかやろー!」
そしてまた涙ぐみながら抱き合う。
こんな友達想いの人たちに囲まれて私はとっても幸せなんです…。
それに……
「おー、郁達が同じ制服着てる〜」
抱き合ってる後ろから声が聞こえた。
私の大好きな大好きな…
「蓮兄!」
「「蓮さんっ!」」
振り返るとズボンのポケットに手を入れて「よっ」と、微笑む蓮兄がいた。
そう、誰が何と言おうとこの人が私の大好きな大好きな芹沢 蓮。
ひとつ年上のお隣に住んでる幼なじみなんです。
昔から私は蓮兄の事が大好きで、高校まで追っかけてきました…!
「おーい、俺もいるぞー?」
蓮兄の隣からひょこっと顔を出して口を尖らせる悠ちゃん。
「悠ちゃん!」
斉藤 悠真、蓮兄と同じ年で、この2人は常に一緒にいる。
みんな中学から一緒で仲は良かった。
「悠真さん!蓮さん!ご無沙汰してまっす!」
「無事3人で合格出来ました〜!」
「一時期どうなるかと思ったけどな〜!無事合格して俺は嬉しいよお前ら〜!」
3人できゃっきゃ嬉しそうにしているのを横目に蓮兄は私の隣にやって来た。
「似合ってんじゃん」
「ほほっ、ほんと!?」
「ほーんと。また今日からよろしくな」
と言って微笑む蓮兄。
「私絶対蓮兄フォルダに体育祭や文化祭の蓮兄収めてやるんだ…!」
と言って携帯を握りしめる私に「何だそりゃ」とふはっと笑う。
ああ…!ほんっとこの笑顔に毎回やられる…!
すると私たちの周りにも新入生の子達がいて、ざわざわと騒ぐ声が聞こえた。
それも蓮兄を見て……
「ちょっ、あの人かっこよすぎない…!?」
「やばっ同じ1年!?」
「でも胸に同じ花付けてないよ!?」
この通り…蓮兄は中学の時から変わらずですごくモテます。
顔良し、頭良し、運動神経良し…
言う事ないパーフェクト男なんです…!
そんな人が私の幼なじみってだけで鼻は高いですが…
本当はこの魅力を独り占めしたいぐらい…!
「ひゃ〜…蓮さん相変わらずっすね〜…」
「中学の頃から変わらずモテモテだ…」
同じ新入生のざわつきに、梨花と大樹も気付いて苦笑いをする。
「俺らの入学式ん時も大変だったんよー?とりあえず蓮の連絡先欲しいがために女子の行列!蓮は逃げ回ってたけどな〜」
と、それに加えて「郁坊もうかうかしてらんないねー?」とにやにやする悠ちゃん。
この通り、梨花、大樹、悠ちゃんは私の蓮兄に対する気持ちを知っている。
何でも、気持ちがダダ漏れすぎてすぐバレた…
「れっ、蓮兄は私が守るから!」
「そのいきだよ郁!」
「俺らも一緒に守るから!」
そしてある日の夜。
「えっえぇえええ!?あめっアメリカ…!?!?」
私は両親からの言葉で驚いて思考が止まっていた。
「そうなの〜パパの仕事の都合で急遽アメリカに行かなくちゃだめになっちゃってえ…」
「えっ…」
「ママにもついて来てもらう事になったんだ」
「ええ…っ」
ママとパパは、ぴえんの絵文字でも語尾に付いてるかのように少々上目遣い気味に言った。
いやいやいやいや…!
どっ、どういう事…!?
「わっ私やだよ…!?せっかく梨花と大樹と一緒に合格して蓮兄のいる高校に…!」
「あっ!いいの!郁はそう言うと思ってたから!」
私の言葉を遮るようににっこり微笑んで言うママ。
「へっ…?」
「だって、郁のだぁぁいすきな蓮くんがいるんだもん。離れたくないでしょ?」
「そりゃ…そうだけど…」
ママもパパも、私が昔から蓮兄の事が大好きなのは知っている。
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