第40話 戦闘開始

 戦う準備は終わった。後は蓋を開けたら戦いの開始だが……。

中から蓋に体当たりでもしてるのか音が聞こえる。

「これ開けた瞬間出て来るだろうね。開けたら即戦闘開始になる。子供は下がっていてくれ」

「よかったら入り口の敵までは倒しますよ」

「子供が簡単に言うな!」

「その子の言う事は正しいかと思います」

「俺も前に助けられた」など多数の声が聞こえたため僕も参加することに。

「開けるぞ」

「分かりました」


 ふたが開いた。多数の魔獣が勢いよく飛び出してきた。

前方に人が居ないのを確認し

「地の精霊さん7.7mmの石を連続発射」

「……俺達より強くないか?」

「で、でも子供だぞ?」

「エルフとかみたいに長寿で実年齢は大人とか?」


 何か勘違いされてる?

「いやあの、普通の子供ですよ」

「普通って何?」

「普通ではないな」

話が進まない。誤魔化すか。

「い、今がチャンスです。攻略しましょう!」

付いて行こうとしたら止められた。

「君は中に入ったらだめだよ」

「そうでしたね。でも怪我したらすぐに戻ってきてね。約束だよ」

「ありがとう行ってくる」

第一陣が中に入っていった。


 1時間以上待ってるが誰も帰って来ない。無事に進んでるのならいいがそんなに広いのかな?

そんな事を考えていると二人の兵士が戻って来た。

「内部は広く増員を希望です。後あの薬もあれば欲しい。私も今、腕を負傷しているのだが治療できる方が居ると聞いて来た」

「治療しますね」

「先程の子供?治療も出来るのか?」

「もう治しましたよ」

「あれ?傷も無い。痛みも無い……ありがとう。君は凄いな」

「傷は治せますが……無事に帰ってきてくださいね」

「こ……これが勝利の女神か?!」

「あの……男なんで女神ではないですね」

「そうか、男か……ん?男の魔女?」

「魔法使いって呼んで欲しいです。また怪我した人が居たらここまで戻れたら治療しますし薬も有りますので無理せず使ってくださいね」

「この薬って……君が?」

「誰が作ったかは王命により不明となっております」

「分かった。ありがとう。」


 数時間後怪我人が増えてきた。薬の在庫も使ってしまいもう無くなった。

「もう薬が無いのでここで治療しか出来ません。前線のけが人は?」

「重傷者も数人いるが連れて戻る余裕はない」

「これは緊急事態ですね。私が行きます」

「危険だ!」

「とりあえずここまで来た人の治療は終わりました。一つお願いが有ります。私が間違えて前線方面に走って向かってしまったので、皆様がそれを停めようとしてください。その時に怪我人の居る方向とか教えて貰えると助かります」


僕の暴走なら兵士たちに責任はないでしょう

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