第22話 成績
学校でもう一度勉強。正直いい印象はなかった。面倒だとかそういうネガティブな事ばかり考えていたが婚約者、友達と前世では無かった魔法。色々有って毎日学校が楽しい。
自称でも魔法の研究をすると言ってるのに成績が悪いと説得力が無いだろうと座学も頑張った。
ここの学校は毎月テストをして順位が貼り出される。初回のテストは出来ていたと思うが結果は、学年1位だった。平民なのにいいのかな?何もなければよいが。
その日から色々な人に声を掛けられるようになった。基本は褒めてくれた。でも
「偶然少しいい点だったからってそれで勝ったと思うな!」とか言ってくる顔も知らない人も居る。
何の勝負してるんだろう?
それと増えたのは女生徒からの
「一緒に勉強しませんか?魔法も詳しく、勉強も出来るなんて」等誘いが増えた。
それを見た男子が自分もと参加希望してきて、当初勉強する予定など無かったのに今はほぼ全員で勉強する事となった。講師は何故か僕……なんで?
余談だがこの勉強会は続く事になって歴代で最高に成績の良い学年になるとはこの時は誰も知らない。
「毎日授業後に勉強。帰ったら魔法の練習。魔法以外で遊ぶ時間がない」という僕の独り言に
アビは顔を赤くしながら言った。
「わ、私と2人でお出かけしませんか?」
これってデートってやつか?最近無駄使いしてないからお金も少しは有る。
「そ、そうだね。楽しそうだ」と返事したが多分顔は真っ赤だったと思う。
次の休みに街に買い物に行くこととなったが当然護衛はつく。
ソマリも申し訳なさそうに
「2人で行かせたいが何か有ったら怖いから少し離れて行くから護衛も連れて行って」
とお願いされた。
アビは嫌そうだったが、「楽しいお出かけに何か有ったら嫌じゃない?少し離れて見ててくれるなら安心じゃないかな?」と言うと納得してくれた。
お出かけ当日。
「何か欲しい物とか買いたいものある?」と聞くと
「何か二人で出かけた記念になるものが欲しい」と
む、難しい事を言うな……記念か。これは二人で身に付けれるものがいいかな?
指輪……は少し早いしな。何がいいか?こういう経験は少ないからよく分からない。
適当に見て回ると色のついた木の実を売っている子供を見付けた。
「これは何?」
「これは孤児院の近くにある木の実。神様が見守ってくれてる実だから持ってるだけで幸せになれるよ」
「そうなんだ。ではこの少し赤いの1つ貰えるかな?」
「ありがとうお兄ちゃん」
受け取った実をアビに渡した。
「君の綺麗な目の色に似たのを見付けたから……これ受け取って」
アビは顔まで赤かった。
その後アビは僕の目に似た黒い実を買ってプレゼントしてくれた。
何か恥ずかしかったが……嬉しかった。しかしお互い自分の色より相手の色かなと思い後で実の交換した。
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