第21話 魔法の練習

 毎日ソマリ様の別邸に戻ってから時間が有ったら魔法の練習をしていた。

もう外に風呂を作り入浴後証拠隠滅まで簡単にできる。

何故消すかと言うと外で作った時、元に戻さないと何が住み着くか分からないからだ。


一応出先で宿泊する用に家を作る魔法も覚えた。言えと言っても見た目は豆腐だが。窓も少ない。これは外敵から守る為なのである程度は仕方ない。城とか砦ではなく簡易の宿泊の為の家だからね。


 作った後は綺麗に壊す。来た時よりも美しく。ゴミも処理しておく。他には地属性魔法を使って農作物を育ててみた。少し大きくて普通より早く収穫でき味も良かった。魔法使えたら飢える心配が減りそう。


座学も魔法の見学も頑張った。見学の何を頑張ったのかと言うと、見学してる時ある魔女から本人としては答えられないだろうと嫌がらせで質問されたが、簡単に答えると他の魔女からも色々質問されいつの間にか魔女の授業の進み方が早くなり原因を調べた先生により何故か魔女の授業の助手になった。


授業で分からない時先生より僕の方が聞きやすいらしくよく質問され、的確に答えると驚かれる。

一番最初に質問した人から後日謝られた

「私は家が貴族の魔女であり自分が偉くなっていると勘違いしていた。授業サボりたいから研究とか言って女の子を見に来てると勘違いして、自分も出来ないことを質問したら丁寧に答えてくれた。この時気付いた、自分にできないことを必死に調べるとはどれだけ大変な事だろうと。実際にするから難しさが分かるのであってただ見えるだけではその大変さは分からないだろう。そんな真剣な人にばかにするような行為を私は……。貴族として一人の人間として悪い事をした。すまなかった」


と謝られた。気にしてなかったのに。


 「でも、君は魔法使いでもない僕の言葉を聞いてくれたよね。それは嬉しかったよ。こちらも真剣には考えているけど実際使えない人が言っても信用できないよね。だから、その、ありがとう」


何か相手の顔が赤い……?何で?


「わ、わ、私のな、名前はツツジだ。親は近くの領地で伯爵をしている。一応伯爵令嬢というやつだ。これから良かったら仲良くしてくれ。それとたしか君は婚約者がいるのだったか?」


「はいあちらに居るアビ……アビシニアンが私の婚約者です。」

「そうか。まあ君なら複数と結婚するかもしれないな?」

「いえ、私は普通より少し条件のいい平民ですよ。複数の婚約者なんて無理ですよ」と言うと

「そうか……。ま、まあ仲良くしてくれると嬉しい」と少し寂しそうだった。


婚約者なんて一人で十分でしょう?どういう意味の質問だったのかな?

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