第3話 浮遊するもの 乗り込むもの
「撃てぇ!!」
自衛隊は戦車で謎の浮遊体に攻撃を開始する。
ドゴォン! ドゴォン! ドゴォン!
大きな砲撃音が鳴り響き浮遊体に命中する。しかし、傷や凹みなど何一つダメージを受けていなかった。こちらの攻撃は一切通用しない事に自衛隊員たちは恐怖した。
スォォォォオオオゥゥゥゥゥン
不協和音のような音が当たりに響かせる。先程の砲撃音から近くの住民が気づき始め「でっかいUFOだ!」「逃げなきゃ!」「これはバズるぞ!」と言えから逃げ出したりスマートフォンで撮影し出したりとパニック映画のような状況になった。
フォォンッ
再び不協和音が。それと同時に謎の光を放ちの戦車の砲身を切り落とした。断面は綺麗でまるで日本刀で綺麗に斬られた竹のようだ。
「長官!どうするんですか?」
「ぐぬぬ…きっとあのロボットに関係してると思うが…」
長官の予想通りか浮遊体はゆっくりと海にあるロボットに近づいていく…。
———
その頃、祐吉はウォルを追いかけ海辺についた。家から少し距離があったが、祐吉はランニングで走り続けるのには慣れていた。が、ウォルは子供の体力がここまであるとは思えないほどだった。
「なんでここに戻った!?あの空に浮かんでいるのはなんだ!?んで、お前は何なんだよ!?」
走っている途中に浮遊体が現れたことと砲撃音が聞こえたことで不味い状況だと誰でもわかる。ここまで来ると巻き込まれる可能性だってある。
「ウォル…ウォレイルズ…ん……◾︎◾︎◾︎◾︎…◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎…」
ウォルは再び謎の言語を話しだす。何故か困った表情で考え込む……そして祐吉の方に振り返り話しかける。
「ねーむ……、なま、え……なまえ!」
祐吉は不器用に喋る日本語で名前を聞かれたとき思い返した。
「…祐吉、藤光 祐吉。何でこんな時に名前を…」
「ゆ、きち…ユーキチ!フジミユーキチ!ユーキチ!!」
ウォルは嬉しそうに祐吉の名前を連呼しながら喜ぶ。そんなに嬉しいことかなと思ってる祐吉にウォルは右手を差し出す。
「ウォル!ユーキチ!!」
「よろしくの握手か?しょうがないなぁ!」
差し出された右手に握手をする。その時ウォルは左手を高く上げてこう叫んだ。
「ウォレイルズ!!!!!」
ウォルの左手は強く輝き出し、祐吉がいきなりの光で驚く。その場で離れたいと思っていてもウォルが右手が強く握っているので出来ない。
「眩しい…ウォル…これは何なんだ…」
ウォルの叫びで大きな変化が起きた。海にあるロボットが目を光らせ動き始めたのだ。背中にあるブースターを展開して移動をし始める。近くにいた自衛隊員たちは何故動き出したのかと驚いていた。
そしてロボットは祐吉とウォルの前に現れる。
「これ…ウォルのだったのか…?」
ロボットの胸部が輝き出す。それと同時に祐吉とウォルは謎に光に包まれる。
「お、おい!なんだこれは!?」
「ユーキチ!◾︎◾︎◾︎!」
気つけば祐吉は何かに乗っていた。座席の周りに不思議な機械に囲まれている。そして前には一座席分下にずれてウォルが立っていた。1番前にある大きなモニターには先程までいた海辺が映し出されていた。そこから祐吉は気付いた。
「ああ…俺、ロボットに乗っちゃったんだ…」
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