第7幕 毒が回る
夏休みが終わって二学期が始まり――すぐ残念なことが起きたね。文芸部部長と今彼の男子が、ラブホ前で
事件を起こした本人は呆然自失で――通行人に大人しく捕まり、駆け着けた警察にも静かに連行されたな。部長は意識不明で救急搬送され……今彼はその場で死亡が確認されてた。
当事者三人に話を聞ける人もいないから、様々に憶測を呼んだな。部長と元副部長の熱愛は上級生の間で割と知られてて、別れ話が眉唾扱いだったから余計にね。
部長たち三人は幼馴染で、今彼が仲を取り持ってたらしいよ。でも自分に嘘を付けず、今彼は部長を口説き落とした――部長の容姿変化はその証だとね。元副部長は急にフラれて拗らせたと、上級生たちは納得してたよ。
部活顧問も部長たちの交際は知っていた訳で、文芸部全員――元も含めて学校側の聴取を受けた。僕ら一年生は知り合って間もないから、手短だったけど……上級生の場合はじっくり聞かれたらしく……夏前に彼氏と別れた女子部員は動揺が激しかったと聞いたよ。
中には病院送りの女子もいて、近頃部活に前のめりらしかった。美玖もだったから心配になったんだよ。なのに……
『大丈夫だから』
膠もなさに美玖が遠かったな。しかも部活は凍結されたのに活動を続けるから、美玖たちを止めようとしたよ。
『ヨシ君には係わりないから』
聞く耳を持ってくれなくてさ。だから尾行すると決めたんだ。
しばらくして処分が出たね。元副部長は強制退学。部長の意識は戻ったが心を病み自主退学。聴取で動揺した部員たちも静養を理由に休学。文芸部は廃止で、メッセージグループは教師の前で削除させられたな。
ただ
放課後も過ぎて鎮まる校舎に、馴れた様子で入る姿を見たよ。そこに出迎えの男子たち十人ほどがいて、どいつも下卑た表情だったな。その一人がエスコートだと美玖の手を――血が沸騰して物陰から飛び出したんだよ。
美玖を放せ!――駆け寄って言おうとした。ガフッ!――だけど頭部への衝撃で地面に転がってしまった。動きが止まったとこで横顔を踏みつけられて、認めてしまった。遠のく意識が、ここにいるはずない……ハルを……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます