地下鉄爆破事件
今度は午前8時に東京メトロの霞ヶ関駅の日比谷線、千代田線のホームが爆破される夢を見た。川奈が時計に目をやると、時間になるまであと1時間ほどしかなかった。川奈急いで着替え、霞ヶ関駅に瞬間移動した。川奈はまず、日比谷線のホームに向かった。日比谷線のホームには何も異常はなかった。次は、千代田線のホームに向かった。千代田線のホームには特に異常はなかったが、1人だけ怪しい男がいた。
(もしかしてあいつが…?)
川奈はその男に目を向け、慎重に近づくことにした。男は一見して普通の乗客に見えたが、何か不自然な動きがあった。彼はホームの隅で、周りを気にしながら何かを手にしている様子だった。川奈はその物が不審なものかもしれないと直感し、さらに近づいた。男が小さなバッグを地面に置いた瞬間、川奈はすぐにそのバッグが爆発物であることを察した。バッグの周りに不自然に見えるワイヤーや機械的なパーツが露出しており、川奈は明らかに爆発物の一部であると確信した。
(まずい…!早く何とかしないと!)
川奈は素早く周りの人々を避難させるために指示を出した。
「皆さん、すぐにホームから逃げてください!危険です!」
周りの乗客は川奈の真剣な表情に気づき、慌ててその場を離れた。川奈はすぐにバッグに近づいた。瞬時に爆発物の解除方法を思いつき、川奈はその物を慎重に取り扱いながら、バッグの中の爆発物を取り外していった。
数分後
爆発物が無事に無力化され、危険は去った。川奈は深いため息をつき、再び駅のホームを確認した。その後、川奈は駅員に一言伝えた。「この男を取り押さえてください。こいつが犯人です。」
警察が男を取り押さえ、事件は無事に解決したと思われた。しかし…
数分後
川奈は事件は無事解決したと思い、分身に行かせている学校へ行こうとした。すると…
「ドカァァァン!」
地下鉄駅の改札に、思わず耳を塞ぎたくなるような轟音が響く。川奈はすぐ爆発音がしたホームへ向かった。すると、そこにはバラバラになった死体や、どこの部分かもわからない人の体のかけらがあり、まさに地獄絵図という言葉がぴったりな光景が広がっていた。川奈や駅員はすぐに救助に当たろうとしたが、生き残っている人は誰一人としていなかった。少しすると消防車やパトカーが集まってきたが、ほとんどの人がその場で死亡を確認された。
その夜
「今朝、霞ヶ関駅のホームが爆破される事件が起きました。警視庁によりますと、犯人の男は日比谷線のホームに爆弾を設置したあと、千代田線のホームに爆弾を設置したようです。千代田線のホームの爆弾は民間人によって発見され無力化されましたが、日比谷線のホームの爆弾は誰にも発見されず、そのまま爆発したとのことです。」
(まさか…私が爆弾を見落としていた…?そんな…私が爆弾を見落としていなければ…)
川奈はその瞬間胸を締め付けられる感覚に襲われた。自分の判断ミスのせいで多くの人命が失われてしまった。川奈は自分を責め、どこか冷静さを失っていた。川奈は自分の部屋に着くと、観察者が部屋にいた。
「あ…あんた…」
「こんにちは。いや、今の時間だとこんばんはですかね?」
「失敗した私を笑いに来たの?」
「違います。笑いに来たわけではありません。ただ、あなたが感じている後悔は理解できる。しかし、これは単なる一つの出来事に過ぎません。」
川奈は視線を床に落とし、しばらく黙っていた。
「でも、私は爆弾を見落とした…私が見落としていなかったたらみんな助かっていたはずなのに…」
「確かに、あなたが爆弾を見落としていなかったたらみんな助かっていたでしょう。しかし、あなたが爆弾を無力化したことによって多くの命が救われたことも事実です。」
「確かにそうだけど…」
「失敗したことだけが事実なわけではありません。失敗は次に活かせば良いのです。」
「確かにそうだよね…私、次はもっと頑張る…二度とこんなことが起きないように…」
「その意気です。」
(まあ、もし罪悪感に負けて彼女が自殺でもしたら困りますしね。)
観察者は心の中でそう思った。
「では、私はこれで。」
観察者はそう言い残し、どこかに消えていった。
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