鉄道事故
今回は午後3時に伊豆急行線の河津〜稲梓間で普通電車のブレーキが効かなくなり、終点の伊豆急下田駅の車止めに高速で衝突し、乗客と駅にいた2人が死亡、18人が重傷を負う夢を見た。
(今度は電車か…どうやって防ぐ…?)
川奈は着替えながら作戦を考えた。
(なんでブレーキが効かなくなったんだろう…)
とりあえず、川奈は電車の詳細を調べた。
(伊東発伊豆急下田行きで、河津を午後3時に出発か…)
川奈はとりあえず、その電車に乗ることにした。
数時間後
川奈は河津駅前に瞬間移動し、下田行きのチケットを買った。川奈は3時発の下田行きの電車に乗った。電車が出発して少しすると、本来なら停車するはずの稲梓駅を通過した。そして、こうアナウンスが流れた。
「列車のブレーキが利かなくなりました。衝突に備え、乗客の皆さんは後方の車両へ避難してください。」
(来た…!)
周りの乗客は困惑しながらも車両の後方へ避難していた。川奈は人の流れに逆らい、運転席がある方へ向かった。川奈が運転席に着くと、色々なブレーキを試している運転手がいた。川奈は運転席のドアを叩いた。
「運転手さん!ここを開けてください!私なら出来ます!」
運転手はドアを叩きながらそう言う川奈を見て困惑した。
「君には無理だ!早く後方の車両へ避難しなさい!」
運転士はそう言ったが、川奈の真剣な眼差しを見てドアを開けた。川奈は運転席に座ると、能力を使って運転の仕方を知った。川奈はまずはマスコンというレバーを倒し、非常ブレーキを掛けた。しかし、ブレーキは掛からない。それどころか、電車は加速していた。そこで、川奈は運転手にこう言った。
「客室にある運転台の手ブレーキを掛けてください!」
運転士は川奈にそう言われ、客室にある運転台の手ブレーキを掛けた。しかし、効果はない。気が付いたら、蓮台寺駅を通過していた。次の駅は、終点の伊豆急下田駅だ。川奈は焦り、あることを思いついた。
(パンタグラフを下ろせば…!)
パンタグラフとは、架線から電気を電車に供給するための装置だ。それを下ろせば電車は加速をやめ、空気ブレーキが効くと川奈は思った。早速川奈はパンタグラフを降ろした。すると、少しずつ速度が落ち、電車は甲高い音を立てて伊豆急下田駅の車止めの目の前で止まった。
「と…止まった…」
川奈はそうつぶやいた。駅のホームには、騒ぎを聞きつけた駅員や乗客が集まった。運転士と車掌は顔を見合わせ、川奈にお礼の言葉を言った。
「本当にありがとう。君がいなければ大変なことになってたよ。」
「い、いえ…」
川奈は息を整えながらそう答えた。
その夜
川奈は家に帰り、ニュースを見ていた。
「次のニュースです。今日の午後3時頃、伊豆急行線の列車が暴走する事故がありました。列車は停車するはずの稲梓駅と蓮台寺駅を通過し、伊豆急下田駅の車止めの目の前で停車しました。静岡県警によると、電車の制動系統の一部に何者かが細工した可能性があるとのことです。」
(細工…?)
テレビの画面には、警察が電車の床下を調べている様子が映っていた。
(一体誰がそんなことを…?)
川奈はそう考えながらリビングを後にした。
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