バスジャック
翌日
「はぁ…」
川奈は今度はバスジャック事件が起きる夢を見た。夢の詳細は、12時に大阪を出発する高速バスがバスジャックされ、19人の人質の内の8人が殺害され、最終的に犯人が持っていた爆弾でバスが爆発され、犯人と人質全員が死亡するという内容だ。バスジャックされるバスが出発するのは12時、その時間は学校に行かなければならない時間だ。そこで、川奈はあることを思いついた。
(これって能力を使えば分身することって出来るのかな?)
川奈はそう思い、試してみることにした。すると…
(で…できた…?)
なんと、川奈は分身することができた。
(よし、私の分身に学校に行かせて、その間に私がバスジャックをなんとかすれば…!)
しかし、1つ問題があった。
(バスジャックを何とかするって言っても、何をすれば良いんだろう…)
川奈はどうやって事件を起こさなくさせればいいか分からなかった。
(とにかく、12時発の高速バスに乗ろう。でも、どうやって大阪まで行けば良いんだろう…新幹線に乗るのも勿体ないし…あっ、瞬間移動すれば…!)
川奈はしばらく作戦を考え、大阪に瞬間移動することにした。川奈は心の中で瞬間移動しろと言った。すると…
(ここは…大阪駅だ…!)
川奈はいつの間にか大阪駅と書いてある場所にいた。
数時間後
川奈は12時発の高速バスのチケットを買い、バスに乗った。バスの中には明らかに怪しい男がいた。
(この男が…)
川奈は心の中でそうつぶやいた。しばらくすると、バスは東京に向けて動き出した。
30分後
怪しい男が立ち上がり、包丁を持って運転手に突きつけた。
「俺はこのバスを乗っ取る!」
俺がそう言うとバスに乗っていた乗客達が悲鳴を上げた。
(やっぱり…!)
川奈は心の中でそうつぶやき、能力を使うタイミングを探る。川奈は後部座席に座りながら、いろいろ考えた。
(よし…能力を使って本人にバレずに警察に電話を…)
川奈は能力を使って犯人にバレずに警察に通報した。少しすると、バスを警察のパトカーが追いかけた。しかし、パトカーを発見した犯人は逆上した。
「くそっ、誰が警察に通報した!」
犯人は大声でそう言い、包丁を1人の乗客に向けた。
(まずい…!)
川奈は焦り、気付いたら立ち上がっていた。
「お前、勝手に立ち上がってるんじゃねぇ!」
犯人はそう言い、川奈に包丁を振りかざそうとした。次の瞬間、川奈はいつもでは考えられないくらい体が俊敏に動き、気付けば犯人の男を取り押さえていた。
「おい!離せ!」
犯人は必死に川奈を振り払おうとするが、他の乗客も一緒に犯人を取り押さえた。
「もう勘弁しなさい!」
「ふざけんな!離せ!」
その後、バスはパトカーのロードブロックより強制的に停車させられ、警官たちがバスに駆け寄り、犯人を取り押さえた。
「君が通報したのか?」
1人の警官が川奈にそう尋ねる。川奈は頷いた。
「ありがとう。君がいなければどうなっていたか…」
そう言われ、川奈はホッとした。しかし、少し複雑な気持ちがあった。
(私、これから毎日こんな事するのかな…?)
能力を手にして以来、平凡だった彼女の日常は大きく変わった。次の夢では一体何が待ち受けているのだろうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます