正夢

小城海馬

正夢

暗い道を歩いている1人の女がいた。その女の名前は片瀬川奈(かたせかわな)だ。すると、急にどこからか謎の怪しい男が現れた。そして、こう言った。

「夢で見た内容が現実になる能力はいりますか?」

川奈は男を怪しく思い、すぐに逃げれるようにした。

「夢で見た内容が現実になる?なんですかそれ。」

「例えば、お金をたくさんゲットする夢を見たとします。すると、現実でもお金をたくさんゲットできるのです。その反対で、お金をたくさん失う夢を見ると、現実でもたくさんお金を失います。この能力、いりますか?」

川奈はどうせそんな事無いと思いながらも、能力をもらうことにした。

その夜

「夢で見たことが現実になる…だっけ。まあそんな事無いとは思うけど、どんな夢見るのかな。」

川奈はそう思いながら眠りについた。

翌朝

「はあ…はあ…」

川奈は9時に品川駅が爆破される夢を見た。川奈はこんな悪夢を見たのは久しぶりだと思った。

「品川駅が爆破されるなんてこと、あるわけないよね…今日は休日だしテレビを観てよう。どうせ9時になってもそんなこと起きないよね…」

川奈はそんな事あるわけ無いと思いながらも心配だった。

8時59分頃

「あと1分…」

川奈はテレビのニュースを観ながら時計を見た。

「あと10秒…」

時計はついに9時にを表した。しかし、何も起こらない。

「やっぱり何も無い…まあそうだよね。」

川奈は立ち上がりテレビを消そうとした。すると、ニュースのアナウンサーがこう言った。

「速報です。警視庁によりますと、先ほど品川駅の駅舎が爆破された模様です。現在、品川駅では消火活動が行われています。」

川奈はそのニュースを聞いて驚いた。まさかあの男が言っていたのは本当だったのだろうか。いや、ただの偶然だ。川奈はそう思い込んだ。

その夜

川奈はなかなか寝付けられなかった。もしまた事件や事故の夢を見て、現実でもそれが起きたらどうしようと川奈は思った。

翌朝

川奈は、今度は飛行機が18時に麻布台ヒルズに衝突し、その影響で麻布台ヒルズが倒壊する夢を見た。

「もしかして、またそんな事が起きるのかな…」

川奈は心配になりながらも、学校に行く準備をして制服を着た。そして、学校に向かった。

数時間後

川奈は学校を終えて、家にいた。

「あと1分…」

川奈はテレビを観て時計を確認していた。時計が18時を表してから少しすると、テレビのアナウンサーがこう言った。

「速報です。先ほど、羽田発那覇行きのスカイジャパン514便が麻布台ヒルズに突っ込みました。それにより、麻布台ヒルズが倒壊した模様です。」

川奈は確信した。この能力は本物だと。

テレビには倒壊した麻布台ヒルズが映っていた。すると、川奈は川奈の母にこう言われた。

「ちょっとお買い物に行ってきてくれない?」

「え?ああ、うん、わかった。」

川奈はそう言うとカバンを持ってスーパーに向かった。

30分後

川奈はビニール袋を持ちながら暗い道を歩いていた。すると、あの怪しい男が現れた。

「あ…あのときの…!」

「能力はどうでしたか?」

「あなたに能力をもらってから悪夢しか見ないんですけどどうなってるんですか!」

「そうですか?それはそれは…」

「もしかして、あなたが私の夢をコントロールしてるんですか!」

「それはどうでしょうね。」

男は不気味な笑みを浮かべた。

「あんた…!」

川奈は男に近づいて胸ぐらをつかもうとした。すると、男がこんな提案をした。

「では、夢で見たことを現実で起こさなくするための能力はいりますか?」

「はぁ?」

「例えば、ある建物で爆発事件が起きる夢を見たとします。いま私が提案した能力を使えば、空を飛べたり瞬間移動できたり爆弾を解除する方法が分かり、夢で起きたことを現実で起こさなくすることができます。」

「そんな能力より、私が持ってる能力を無くしなさいよ!」

「残念ながら、それは出来ません。」

「…なら、あんたが言うその能力を寄越しなさい!」

「分かりました。では、交渉成立ということで。」

川奈は男からその能力をもらった。

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