第193話

「ちょっと、零」


「え?」




今度は完全に呆れ顔の葉月ちゃん。




なんだろう。


どうかしたのかな。




「今、声に出てた」


「え?声?」




こくりと頷いてから、にやっと意地悪そうな笑顔を向けられて、私は少し焦る。




何が?


今、私何か言ったっけ。




「那由多、那由多、那由多」




葉月ちゃんは顔を変えずに、私の声真似をするように言った。




えっ、そんなこと言ったかな。


しかも、私ってそんなアホっぽい?




なぜか異常に恥ずかしくなってくる。





「ごめん」


「別にいいよ、大好きなの知ってるし」




更に笑みを深めて葉月ちゃんはさらりと追い討ちをかけた。

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