第157話

「離して」




今まで聞いたことがないくらい低く、感情のこもらない声。


一瞬、誰?って思ったけど、それは紛れもなく葉月ちゃんの声だった。




「あ、わりぃ」




男の子はごめんと言って直ぐに離れると、照れたように笑った。




「すげぇ久しぶりで嬉しくて、つい」


「迷惑」


「なんだよー」


「うざい」


「な、」


「邪魔」


「は、」


「消えて」


「……」




間髪入れずに攻撃を繰り出す葉月ちゃんに、男の子はしゅんとなった。




それでも葉月ちゃんは気にもとめずに私に向き直り、さっきまでの態度が嘘みたいに綺麗な笑顔を浮かべた。




「零、一応紹介しとくね。これが純」




やっぱり、この男の子が純くんだったんだ。

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