第142話

「那由多が教えてくれたからだよ」


「え?」


「足し算、教えてくれたでしょ?あれから算数が好きになったんだよ」


「そっか」




那由多は照れ臭そうに笑った。




「あ、教科書で“那由多”って習ったよ!」


「うん、僕も習った」




一、十、百、千、万、億、兆。


そのさらにずっとずっと先にある“那由多”。




「すごい桁だよね!」


「うん。びっくりした」


「0が何個あるのか数えてみたらね、60個もあったよ」


「あはは、零ちゃん数えたの!」




私は0がたったの一個。


那由多は1の後に0が60個。




遠いなって思いながら、数えてた。

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