第103話

思わず、えへへと笑ってしまう私。


だって嬉しいもん。




「なんか、那由多くん凄いわー」


「俺、もう勝てる気しない……」


「あなた、一度も勝ったことないじゃない」


「……そうだけど」




パパとママの、そんな意味不明な会話はほっといて。




やっと、


私は那由多と喋れると思い、意気揚々と口を開きかけた。




「、」


「おにいちゃん」




しかし、


私が言葉を発する前に、那由多に言葉が投げ掛けられる。


どこか悲しげで寂しげな声。




瞳をウルウルとさせた表情は、かつて、一世を風靡したチワワを思い出す。




自分の隣の空いたままの席を指差して、せつなげに訴え掛けたのは、


思わぬ伏兵。




弟の元気だった。

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