第96話

片手だけをそっと離して、那由多が涙をぬぐってくれた。




「泣かないでよ」


「えへへ」




なんか、異常なテンションの私たち。




叫んだり、笑ったり、泣いたり、困ったり、


そして、また笑ったり。




周りの人は気にも留めず、そのまま通り過ぎていく。




まるで、ふたりだけみたい。




と、思ってたら。






ゴス。






頭に重量感。




「わっ、重い!」


「パパを突き飛ばした上、ジュースを押し付けるとは」


「あっ……」




パパの存在を、忘れてた。


気のせいか、怒りマークが見える。




「零?」


「ご、ごめんなさい」




とりあえず、パパに向き直り謝った。




でも、もちろん手は繋いだまま。

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