第62話

泣いてる。




泣かないで。




今、行くから。




「なゆた!」


「れいちゃん?」




私はがしっと那由多に抱きついた。




「みつけた!」


「れいちゃん」




那由多はポロポロ涙を溢して、私のコートの裾を握りしめた。


その目を、袖を引っ張って拭ってあげる。




「こっち」




今度は絶対に離れないように、手を繋いでさらにぴったりくっついて、


パパたちのところへ戻った。

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