第61話

「パパ!なゆた、はなれちゃった!」


「えっ!」


「まぁ大変!那由多くーん!」


「どうしよう……」




沸き上がる不安に涙が浮かぶ。




「大丈夫!パパが探してくるから、ママといなさい!」


「……うん」




パパが私の手をママに渡そうとして離した瞬間、私はママの手を取らずに走り出していた。




「なゆた!」




お揃いの白いマフラーが見えた。

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