第60話

「凄い人だなぁ」


「本当ねぇ、今日で最後だからかしら」


「零、那由多くん、離さないようにね」


「うん」




本当に物凄い人の数に、怖くなった。




もしも、はぐれてしまったら、もう二度と見つからないかもしれない。


そう思うくらいにごった返してた。




ツリーに近付くにつれて、人はどんどん増える。




正面から高校生の集団がきて、ごちゃ混ぜにすれ違った。




一瞬、目が回って、




ハッと気付く。






右手、離れちゃった。

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