0.2 電話

第22話

那由多が転校して1週間。


私はまだしょんぼりしてた。




那由多の席がなくなっても、クラスは何にも変わらない。




今までと同じように授業は進んだ。




新しいお友達はすぐできた。




斜め前の席の、葉月ちゃん。


真っ直ぐの長い髪とくりくりした目の、とっても可愛い女の子。




学校からの帰り道は、葉月ちゃんと一緒に帰るようになった。




でも、途中の交差点でバイバイすると、そこからアパートまではひとりぼっち。




たいして長くもないその距離が、無性に寂しさを沸き上がらせた。




学校は楽しい。




休み時間はクラスのみんなと外で遊んで騒いでたし、勉強も面白くなってきた。




でも、算数の授業になると、やっぱり那由多を思い出して寂しくなる。




涙が出ないように、我慢してた。

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