第19話

「0ってなんであるのかな」




素朴な疑問だった。



だってたまに足し算の問題にでてきても、いつも意味がないから。




0は何にもないってこと。




だから足しても増えない。




意味なく見える、


私の名前。




「なんでかな?」




頭の良い那由多もわからないみたい。


私はなぜかまた落ち込んできた。




「でも」




那由多がこっちを向いて何か言おうとしたから、私もプランターから顔を上げた。




「ぼく、いちばんすきだよ」




那由多はすごく嬉しそうにそう言った。

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