第7話

もうすぐ春がやってくる。




私は買って貰ったピンクのランドセルを背負って、リビングを走り回ってた。




那由多も買って貰ったランドセルを見せに持ってきたけど、背負わずに両手で大切そうに抱えて走る私を笑顔で見てた。




那由多のランドセルはモスグリーン。




子どもらしくない色かもしれないけど、那由多にはとても似合ってると思った。




「かわいい」




那由多がピンクのランドセルを見てそう言った。




「うん、ピンクかわいいでしょ!」




私は嬉しくて、那由多の前にペタンと座ってランドセルをよく見せるべく背中を向けた。




「……うん」




那由多はちょっと俯いて、小さく頷いた。




私は違和感をおぼえつつも、自分も思っていたことを伝える。




「なゆたもカッコいいね」




那由多は真っ赤になって、固まってた。

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