第93話

「うわ」




外から声が聞こえてびっくりした。


お客さんがちょうど入ろうとしていたところだったみたい。




失敗。


気がつかなかった。




「すみません」




私は慌てて頭を下げる。


そして顔を上げると、そこにいたのは……。






ドキン、




と胸が跳ねた。






「ごめんなさいね。ありがとう」




ママさんは道を譲った君に一声掛けてから、私にお礼を言って外へ出た。




「どうもありがとうございました」




私もお礼を返して頭を下げてから、薄っすらと目を開けた男の子に手を振って見送った。

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